賃貸併用住宅で失敗しないための3つの間取りパターンで注意点を解説

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自宅と賃貸を兼ね備えた賃貸併用住宅には、間取りの設計において独特の注意点があります。

賃貸併用住宅には、大きく分けて「2階建て賃貸併用住宅」、「3階~5階建て賃貸併用住宅」、「店舗を含む賃貸併用住宅」の3つのパターンが存在します。

3つのパターンには、それぞれメリットとデメリットがあり、計画上の注意すべきポイントも異なります。

自分の土地に適した賃貸併用住宅を建てるためにも、賃貸併用住宅のパターンを知っておくことは重要です。

そこでこの記事では、「賃貸併用住宅の間取りパターン」について、解説いたします。
自分の土地に合った賃貸併用住宅はどのようなものなのか、また間取りで注意すべき部分はどこかについて知ることができます。ぜひ最後までご覧いただき、理想の賃貸併用住宅を実現させるヒントにしてください。

「土地活用をしたい気持ちは固まっているけれど、難しい話をたくさん読むのは苦手」という方は、この記事をざっくりと大枠で押さえた上で、「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」を使って複数の企業から活用プランの提案を受けてみることをおススメします。
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1. 2階建て賃貸併用住宅の間取り

最初に2階建て賃貸併用住宅の間取りについて解説します。

2階建て賃貸併用住宅は、建築費に住宅ローンを使うことができることが多いのが、最大の特徴です。

1-1. 住宅ローンを利用した、2階建て賃貸併用住宅の間取りの要件

賃貸併用住宅は、自宅部分を50%以上とすると、住宅ローンを借りて建築することができます。
2階建て賃貸併用住宅では住宅ローンを利用するケースが多いです。

自宅部分を50%以上とした場合、間取りのパターンとしては「縦配列」と「横配列」の2つに分けられます。

住宅ローンで建てられる賃貸併用住宅は、階数の制限はないものの自宅を50%以上としなければならないため、住宅ローンを使おうとすると、結果的に2階建ての賃貸併用住宅となることが多いです。

規模としては、戸建て住宅よりも一回り大きい程度であり、二世帯住宅のような建物となります。

要件としては、自宅部分が全体の50%以上であれば良いので、残りの賃貸部分は、例えば1Kもしくは1Rを4戸や、3LDKを2戸といった配置にするなど、自由に設計できます。

1-2. 2階建て賃貸併用住宅のメリット

この節では、2階建て賃貸併用住宅のメリットについて紹介します。

(1) どこでも建築しやすい

2階建て賃貸併用住宅は、戸建て住宅よりも一回り大きい程度であるため、土地の広さが50坪程度以上あれば、工業専用地域と呼ばれるエリア以外であればどこでも建てることが可能です。

土地の建築規制が厳しいエリアの一つに、主に戸建て住宅しか建てられない第一種低層住居専用地域と呼ばれる地域があります。

第一種低層住居専用地域では、高層マンションのような建物は建てられませんが、2階建ての賃貸併用住宅であれば建築可能です。

大都市圏では第一種低層住居専用地域が一番広い面積となっているため、調べてみると自分の土地が第一種低層住居専用地域内に存するケースが多いです。

第一種低層住居専用地域で賃貸併用住宅を建てる場合には、必然的に2階建ての賃貸併用住宅が選択肢となります。

(2) アパートローンよりも有利な住宅ローンが借りられる

住宅ローンで建てる賃貸併用住宅は、アパートローンよりも有利な条件でローンが借りられるという点がメリットとなります。

住宅ローンは、一般的にアパートローンよりも金利が低く、返済期間も長く設定できるので、ローンの条件としてはアパートローンよりも有利です。

住宅ローンは、国の持ち家政策によって住宅取得を促す目的があることから、特別に借主に有利な条件で設計されています。

通常、アパート建築や不動産投資では、住宅ローンを利用することはできません。
50%以上を自宅とする賃貸併用住宅は、住宅ローンを使って不動産投資ができる例外的な存在であり、ローンに関してはとても有利なのです。

(3) 自宅部分で住宅ローン控除が使える

50%以上を自宅とする賃貸併用住宅では、自宅部分に関し住宅ローン控除が使えます。
住宅ローン控除とは返済期間が10年以上のローンを組んで住宅を購入した際、自分が住むことになった年から一定の期間に渡り、所定の額が所得税から控除される税金特例です。

住宅ローン控除が適用できる要件として、「居住用と居住用以外の部分(例えば店舗など)があるときは、床面積の2分の1以上が居住用であること」という要件があります。

基本的には住宅ローンを借りる要件と同じですが、住宅ローンを借りて賃貸併用住宅を建てれば、自宅部分は自然と住宅ローン控除が使えます。

住宅ローン控除はサラリーマンにとっての最大の節税対策ともいわれていますので、住宅ローン控除を利用できるというのは大きなメリットです。

1-3. 2階建て賃貸併用住宅のデメリット

この節では、住宅ローンで建てるデメリットについて紹介します。

(1) 住宅ローンで建てると、賃貸部分の間取りの制約が大きい

住宅ローンで建てる場合、自宅部分を50%以上としなければならないため、間取りの制約が大きいというデメリットがあります。

自宅と賃貸の面積が連動しているため、賃貸部分を大きくしようとすると自宅も大きくなり、自宅を小さくしようとすると賃貸部分が狭くなるというジレンマが生じます。

50%以上を自宅とすることから、自宅の配置も「縦配列」か「横配列」程度であり、選択肢は多くありません。

戸数もそれほど多くは増やせないため、空室が発生した際の影響も大きくなってしまいます。

例えば10戸のアパートなら1室が空室になっても空室率は10%ですが、賃貸併用住宅で4戸しか作れなかった場合、1室が空室になると空室率が25%にもなってしまいます。

自宅が50%以上というルールが、賃貸部分の規模に大きく影響を与えてしまうため、大きな空室率を生み出しやすくなっています。

(2) 自宅部分が大きいと売却しにくい

自宅部分が50%以上ある賃貸併用住宅は、特殊な部類の不動産になるため、売却しにくいです。

自宅だけ欲しい方にとっては賃貸部分が不要ですし、アパートだけ欲しい方にとっては自宅部分が不要です。

アパートだけ欲しい方が自宅部分を貸そうとしても、広過ぎて賃料総額が大きくなるため貸しにくい物件とみなされます。

すると、自宅部分が50%以上ある賃貸併用住宅は、需要者が「賃貸併用住宅を欲しい方」に限られます。
買主がかなり絞られてしまうため、売却しにくいと考えて良いでしょう。

(3) 自宅部分が大きいと相続に適さないことが多い

自宅部分が50%以上ある賃貸併用住宅は、相続に適さないことが多いというデメリットもあります。

子供が自宅部分に住んでいない場合、相続しても自宅部分は不要です。
自宅部分を貸そうとしても、広過ぎてなかなか貸せないという問題もあります。

取り壊して更地にする場合にも、賃貸部分に入居者がいるため、簡単に取り壊すことはできません。
取り壊すためには、入居者を退去させなければならず、立ち退き料等も発生します。

相続人にとっては、嬉しい物件ではないため、相続しにくいというのがデメリットです。

1-4. 計画上の注意点

この節では、50%以上を自宅とする賃貸併用住宅の計画上の注意点について解説します。

(1) 賃貸需要によって間取りを変更する

賃貸部分に関しては、地域の賃貸需要にあわせ1K(1R)や3LDKなど間取りを変更することが重要です。
賃貸需要が高い間取りとしないと、後々、空室の発生に苦労します。

駅から近く、単身世帯の賃貸需要が高ければ1K(1R)や2DKなどの狭めの間取りがおススメです。
小さな間取りは戸数を増やすことができるため、空室の影響を小さくできます。

一方で、単身世帯の賃貸需要が弱いエリアでは、3LDKを選択することになります。
3LDKは面積が広く賃料総額が高くなってしまうため、総じて賃貸需要が弱いです。

入居させるには賃料を下げる必要があり、賃料単価も下がることで投資効率も低くなります。

単身世帯の賃貸需要があれば、1K(1R)や2DKを優先的に検討するようにしてください。

(2) 自宅の大きさを十分検討する

50%以上を自宅とする賃貸併用住宅では、自宅の大きさを十分検討することが重要です。

しかし50%にこだわりすぎて、賃貸部分を広くしようとすると、自宅が思いのほか大きくなってしまいます。
あまりにも大きな自宅は、将来家族が減ったときに不要となることがあります。

家が大き過ぎると、掃除も大変となり、水道光熱費も余分に生じます。
賃貸部分の面積だけにこだわらず、自宅部分は将来的なことを考えて面積を決めるようにしてください。

(3) 賃貸部分は割り切って作る

賃貸併用住宅では、賃貸部分は仕様を落として割り切って作ることも重要です。

50%以上を自宅とする賃貸併用住宅では、賃貸部分も含めて全て自宅のような感覚となるため、賃貸部分が過剰スペックとなりがちです。

過剰スペックとなっても、その分、賃料を上げられるわけではないので、無駄な投資となります。
通常、アパートは投資効率を上げるために、仕様を下げられる部分は割り切って下げることが一般的です。

総額を抑えるためにも、賃貸部分は過剰な仕様とはせず、適正な仕様で作るようにしてください。

2. 3階~5階建て中層賃貸併用住宅の間取り

この章では住宅ローンを使わずに建てることが多い、3階~5階建建て中層賃貸併用住宅の間取りについて解説します。

2-1. 代表的な間取り

3階~5階建て中層賃貸併用住宅は、賃貸部分の割合が高くなる分、特に間取りの制限がありません。
自宅部分の割合は何パーセントでも良いため、自由に設計できます。

感覚としては、通常のマンションを作るのとほとんど変わらず、マンションの1室をオーナー邸とすることが多いです。

2-2. 3階~5階建て中層賃貸併用住宅を建てるメリット

この節では3階~5階建て中層賃貸併用住宅を建てるメリットについて解説します。

(1) 間取りに自由度がある

3階~5階建て中層賃貸併用住宅は、間取りに自由度がある点がメリットです。
普通のマンションを建てるのとほぼ同じ感覚で建てることができます。

自宅部分を眺望の良い最上階とするか、あえて貸しにくい1階部分に配置するかは好みの問題です。
設計に特に縛りがないのがメリットとなります。

(2) 自宅部分も貸しやすく、相続に向いている

自宅を広過ぎない間取りとし、ほぼ普通のマンションのようにして建てれば、自宅部分も将来的に貸しやすくなります。

自宅部分が貸しやすければ、相続もしやすくなります。
相続人が既に自分の家を持っており、自宅利用の予定がなければ、その部屋は貸して1棟丸ごと収益物件とすることも可能です。

(3) 収益物件として売却しやすい

自宅部分も貸しやすい形で作っておくと、将来、収益物件としても売却しやすいです。
相続前であっても、他人に貸して収益物件とすれば、自分の代でも売ることはできます。

将来、老人ホームへの入所が必要となり、急遽、まとまった資金が必要となった場合でも、自宅部分を貸せば全体を収益物件として売ることが可能です。

2-3. 3階~5階建て中層賃貸併用住宅を建てるデメリット

この節では中層(3階~5階)賃貸併用住宅を建てるデメリットについて解説します。

(1) 相応の面積や容積率を要する

3階~5階建て中層賃貸併用住宅を建てるには、土地に相応の面積と容積率を必要とします。

容積率とは、延べ面積を敷地面積で割った値のことです。
容積率は200%くらいあると、5階建てくらいの建物も建てることができます。

200%以上の容積率が指定されているエリアは、第一種中高層住居専用地域や第一種住居地域などと呼ばれる地域となります。

主として低層の戸建て住宅しか建てられない第一種低層住居専用地域では、5階建てのような高層の賃貸併用住宅を建てることはできません。

基本的にはマンションが建てられるような土地が必要であり、建てられる土地は限定的です。

(2) アパートローン等を使うことになる

自宅が50%未満となる場合には、アパートローン等の不動産投資ローンを使うことになります。
アパートローン等は、住宅ローンに比べると、金利も高く、融資条件が厳しいです。

また、昨今は金融庁がアパートローン等の貸出に関して、銀行を厳しく監視しており、アパートローン等は住宅ローンに比べて借りにくくなっています。

尚、自宅が50%未満であっても、自宅部分だけ住宅ローンで借りることのできる銀行もあります。
少しでも有利な条件としたい方は、銀行の融資条件をしっかりと確認するようにしてください。

(3) 住宅ローン控除を利用できない

賃貸併用住宅で、自宅部分が50%未満となる場合には、原則として住宅ローン控除を利用することができません。

ただし、自宅部分が50%未満の賃貸併用住宅でも自宅部分が区分所有として登記され、かつ、50平米以上等のその他の要件を満たしていれば住宅ローン控除を利用することはできます。

つまり、普通のマンションの1室のようになっていれば、マンションを購入したときのように自宅部分について住宅ローン控除は利用可能です。

住宅ローン控除を利用する場合には、区分所有登記をすることを忘れないようにすることが必要です。

2-4. 設計上の注意点

この節では、50%未満を自宅とする3階~5階建ての賃貸併用住宅の計画上の注意点について解説します。

(1) エレベーターの有無を検討する

3階~5階建て賃貸併用住宅ではエレベーターの設置の有無を十分に検討してください。

エレベーターはメンテナンスコストや、将来の交換に多額の費用がかかるため、コスト面からは設置しない方が良いです。

しかしながら、エレベーター無しの4~5階は空室が埋まりにくくなります。
1970年代に建てられたような公団の中には、5階建てのエレベーター無しという物件はあるものの、近年の5階建てはエレベーター無しの物件はほとんどありません。

また、3階建てエレベーターなしの物件で3階を自宅とした場合、1~2階は普通に貸せるものの、老後に3階建てに暮らすのは自分たちが住みにくくなるリスクがあります。

場合によっては、1階を自宅にし、2~3階を貸しても良いかもしれません。
エレベーターを設置したくない場合は、小さな物件であれば割り切って3階に留めるという選択肢もあります。

階数は、エレベーターの設置の有無を十分に検討した上で決めるようにしてください。

また、建物全体をサービス付き高齢者向け住宅とする場合には、3階以上になるとエレベーターの設置義務が生じます

(2) 自宅の広さを大きくし過ぎない

3階~5階で賃貸併用住宅を作る場合、自宅の広さを大きくし過ぎないことも重要です。
通常の3LDKサイズにしておくと、後から貸しやすいですし、収益物件としても売却しやすくなります。

自宅を50%以上とする賃貸併用住宅は、自宅が大きくなってしまうことで、貸しにくさや売却しにくさが発生していました。

あたかも普通のマンションを作り、その1室に住む感覚だと、後に貸しやすく、売却しやすい資産となります。

(3) 屋上利用も検討する

3階~5階建て賃貸併用住宅では、屋上が陸屋根(傾斜の無い平面状の屋根のこと)となるため、屋上を有効利用できる可能性があります。

最上階に自宅を設ける場合、自宅から直接屋上に出られるようにし、屋上を有効利用できるように検討しておくこともおススメします。

ペットを飼える空間や、喫煙スペース、物干しスペース、ウッドデッキテラス、屋上家庭菜園等、遊び心を加えて企画すると住む楽しみも生まれます。

興味のある方は、設計者に屋上の有効利用をしたい旨を伝えるようにしてください。

土地活用プラス コラム “二世帯住宅型の間取りの注意点”

賃貸併用住宅と類似の建物に二世帯住宅があります。

自宅部分が50%未満の賃貸併用住宅では区分所有登記をするとその自宅部分が住宅ローン控除を利用できました。

しかしながら、二世帯住宅では区分所有登記を行って、親と子が別の区分所有の部屋に住んでしまうと、相続時に小規模宅地等の特例が利用できなくなるため、注意が必要です。

小規模宅地等の特例は、宅地の相続税評価額を一定の面積までは最大80%減額してくれる大変効果の大きな特例です。

小規模宅地等の特例を利用するには、「同じ1棟の建物に、親と子が住んでいる」等の要件が必要です。
区分所有で分けてしまうと、二世帯住宅でも同居しているとはみなされなくなるため、小規模宅地等の特例を利用することができません。

小規模宅地等の特例は、減額効果は大きいですが、要件が厳しくなかなか利用できない特例です。

二世帯住宅型賃貸併用住宅を建てる際は、小規模宅地等の特例と住宅ローン控除のどちらを取るか十分に検討した上で区分所有登記の判断をするようにしてください。

3. 店舗を含む賃貸併用住宅の間取り

この章では店舗を含む賃貸併用住宅の間取りについて解説します。

3-1. 代表的な間取り

店舗を含む賃貸併用住宅としては、一般的にマンションタイプのものとなることが多いです。

他人に貸せるような店舗は、立地が良く、商業繁華性の高い土地であることが必要で、このような土地は高い容積率が指定されていることが多く、結果的にマンションタイプの賃貸併用住宅が多くなります。

そのため、この章では基本的にマンションタイプの賃貸併用住宅について解説します。

店舗部分は基本的に1階に配置します。
2階以上はテナントがかなり決まりにくくなるため、原則、全て住宅とします。

自宅部分は好みですが、最上階に設ける人が多いです。
店舗部分は、表通りからの視認性を良くし、区画も整形にして、なるべく目立つようにすることがポイントです。

3-2. 店舗を含む賃貸併用住宅の間取りのメリット

この節では店舗を含む賃貸併用住宅の間取りのメリットについて解説します。

(1) 高い収益性が得られる

店舗部分は賃料単価が住宅よりも高いため、店舗を含む賃貸併用住宅は高い収益性が得られるというメリットがあります。
もし店舗を誘致できるようであれば、積極的に検討するようにしてください。

店舗の賃料単価は、コンビニやドラッグストアなどの物販店舗が高いです。
飲食店や美容院、マッサージ店等は安くなります。

店内での顧客の滞在時間が長くなるような業種は、売上が小さく家賃が低くなる傾向にあります。

店舗が誘致できそうであれば、賃料単価の高い業種から誘致を検討するのが基本です。

(2) 物件に付加価値が加わる

店舗を含む賃貸併用住宅は、物件に付加価値が加わります。

特に、1階にコンビニが入るような物件は、単身者に人気の物件となります。
空室が埋まりやすくなるという効果があり、オール住宅型よりも価値は高いです。

(3) 売却しやすい

店舗を含む賃貸併用住宅は、収益性が高いことから売却しやすいというメリットも生まれます。

マンションタイプで1階が店舗となっているような住宅は、立地も良く視認性の高い物件も多いため、投資物件として購入したがる人も多いです。

店舗を含む賃貸併用住宅は、空室率も総じて低いことから、投資家から高評価を受けやすい物件となります。

3-3. 店舗を含む賃貸併用住宅の間取りのデメリット

この節では店舗を含む賃貸併用住宅の間取りのデメリットについて紹介します。

(1) 立地が限られる

店舗を含む賃貸併用住宅は建築できる立地が限られるというデメリットがあります。

まず、店舗は都市計画法で定められている用途地域によって建てられるエリアが制限されています。

用途地域は、住居、商業、工業等の用途を適正に配分して、住居の環境を保護し、商工業の利便を増進するために定められた13種類の地域の総称です。

主に戸建て住宅しか建てられない第一種低層住居専用地域では、原則として店舗を建てることができません。

第二種低層住居専用地域になると、2階以下かつ床面積が150平米であれば美容院や店舗、飲食店等を建てることが可能です。

第一種中高層住居専用地域になると、500平米以内の店舗や飲食店の建築が可能になってきます。

このように、まず店舗は用途地域によって面積の制限を受けます。
また、仮に用途地域で店舗の建築が可能であったとしても、テナントの賃貸需要がなければ誘致が難しいです。

立地としては、一定の商業繁華性があり、視認性も良く、店舗面積も十分確保できるような物件であることが求められます。

(2) 退去リスクもある

店舗を含む賃貸併用住宅は退去リスクもあるという点がデメリットです。

店舗の退去要因は、経営の失敗や競合店の出店など、様々な要因があります。
後継テナントがすぐに見つからない立地だと、長期にわたって空室が続きます。

住宅の場合、退去しても次の入居者がすぐに決まることが多いですが、店舗は一度抜けてしまうと次がなかなか決まらないケースが多いです。

次のテナントを埋めるために、賃料が半額程度になってしまうことがあります。
店舗兼併用住宅は、収益性が高いですが、撤退リスクも認識しておくことが重要です。

(3) 設計上の制約が出る

店舗兼併用住宅は、店舗と住宅部分で動線とセキュリティ区画を完全に分ける必要があるため、設計上の制約が大きくなることが特徴です。

基本的には表通りに面した目立つ部分は店舗用の入口として設計しますので、住宅の入口は脇のひっそりとした目立たない部分となります。

また、業種によっては店舗用の駐車場や自転車置き場なども必要となり、土地に十分な広さがないとできないことも多いです。

3-4. 設計上の注意点

ここでは店舗を含む賃貸併用住宅の注意点について解説します。

(1) 店舗を中心に計画する

店舗を含む賃貸併用住宅は、店舗を中心に計画することが重要です。

店舗部分は賃料単価が高いため、稼げる重要な部分であると同時に、退去もされやすいことから、後継テナントがすぐに見つかるような貸しやすい間取りにすることが重要です。

店舗区画は、貸しやすくするために、なるべく広く整形に作ります。
壁面はガラス面を多くし、通りからの視認性を向上させます。
余裕があれば、入口はオーナー負担の工事によって自動ドアにした方が貸しやすいです。

(2) 店舗区画になるべく柱を作らない

貸しやすい店舗を作るコツとしては、店舗区画内になるべく柱を作らないことがポイントです。

店舗区画内に柱が出てしまうと店内レイアウトがしにくくなるため、柱のない無柱空間を優先します。

柱の本数を減らし、無柱空間を作るには重量鉄骨のような梁(はり)を太くできる構造で建てることが必要となってきます。
梁とは柱と柱の間に水平方向に架けられた建材のことです。

梁が太いと、柱と柱の間の距離を伸ばすことができるため、無柱空間が作りやすくなります。
店舗を含む賃貸併用住宅を作る場合には、軽量鉄骨よりも重量鉄骨の方が望ましいです。

(3) 動線とセキュリティ区画を完全に分ける

店舗を含む賃貸併用住宅では、店舗と住宅部分で動線とセキュリティ区画を完全に分けるように設計します。

店舗は不特定多数の人が多く入るため、住宅部分はオートロックとし、住民以外が入れないようにすることが基本です。

店舗の中から住宅部分に入れるようなルートは作らず、動線は完全に分けることで、住宅部分のセキュリティを向上させます。

店舗の機械警備も店舗側の費用負担で設置させ、不審者や泥棒の浸入に関しては、店舗の責任で対処させるように設計することがポイントです。

4. 成功のコツは複数の建築プランで幅広く可能性を探ること

どのパターンの賃貸併用住宅を建てるべきかについては、土地の条件によって異なります。

土地には、都市計画法や建築基準法等の規制によってどのような建物が建てられるかがある程度決まっています。

また賃貸需要は立地条件によって異なりますので、店舗を誘致できるかどうかは場所によって決まってしまいます。
1K(1R)の単身者向けか、3LDKのファミリー向けかの選択も、立地条件によって変わってきます。

土地の法規制や賃貸需要は、一般の方には簡単に把握できないため、一級建築士が在籍し、市場調査専門部署をもつ、賃貸住宅建築に強いハウスメーカーの力が必要です。

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土地オーナーは、具体的な図面となった計画の中からベストプランを選べば良いので、専門的な知識がなくても、所有する土地に最適な賃貸併用住宅を建てることができるのです。

まとめ

いかがでしたか。
賃貸併用住宅の間取りについて解説してきました。

賃値併用住宅には、「2階建て賃貸併用住宅」、「3階~5階建て中層賃貸併用住宅」、「店舗を含む賃貸併用住宅」の3つのパターンがあります。

戸建住宅しか建てられないような土地であれば、住宅ローンを利用できる2階建て賃貸併用住宅が向いています。

マンションが建てられるくらい、比較的広い土地であれば、賃貸収入が期待できる3階~5階建て中層賃貸併用住宅が適しています。

さらに、店舗の賃貸需要のあるような駅近・商店街に近いような土地であれば、店舗を含む賃貸併用住宅がおススメです。

自分の土地に合った最適な賃貸併用住宅の建築プランは、「HOME4U 土地活用」を使うと見つけることができます。

本記事でご紹介した3パターン(2階建て、3階~5階建て中層、店舗付き)の賃貸併用住宅には、それぞれメリットとともに、デメリットも存在します。
メリット、デメリットを正確に把握し、「HOME4U 土地活用」を利用して、あなたに最適な賃貸併用住宅の建築プランを見つけてください。

本記事の掲載内容は、最終更新日時点での情報です。
制度や法律については、改正等で内容に変更がある場合もございます。

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