アパート経営成功のカギを握る「利回り」の計算方法と考え方

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

アパート経営をするにあたって、大切なのが「利回り」です。

しかし、不動産業者が書いている物件情報の利回りが高ければ、それでよいというわけではありません。
実は、利回りには何種類かあり、それらを計算して、「本当に利益が出る投資物件かどうか」を判断する必要があるのです。

そこで今回は、アパート経営に必要な利回りのうち、「表面利回り」、「実質利回り」、「キャッシュオンキャッシュ利回り」について説明し、それらを利用してよりよい物件を探す方法をお伝えします。

1. 基本となる利回りは「表面利回り」

不動産業者が広告に記載している利回りが、この表面利回りです。表面利回りが使われるのは、目安として簡単に物件の良し悪しを判断することができるためです。

物件探しをするときには複数の物件を比較検討することになりますが、すべての物件を「満室想定の利回り」という決まった基準で比較することもできるため、おおまかな判断をすることができます。

1-1. 表面利回りの計算方法

表面利回りは「グロス利回り」とも呼ばれ、不動産投資をする際に、目安として考えることができる利回りです。
表面利回りの計算方法はとても単純です。

表面利回り(%)=年間の満室での家賃÷物件価格×100

家賃と物件価格さえ決まっていれば計算することができるのですが、表面利回りを基準にして投資するかどうかを判断してはいけません

1-2. 表面利回りは実際のリターンとはかけ離れている

前述したように、表面利回りは「満室想定の利回り」です。

アパート経営をするときには、家賃を受け取る一方で、さまざまな経費が掛かります。また、常に満室になっている保証はどこにもありません。

表面利回り通りのリターンが得られることはありえないため、実際に物件を購入するかどうかを判断するにあたっては、表面利回り以外の利回りについても計算しておく必要があるのです。

2. 実態に近い利回りにはどんなものがあるのか

物件を購入するためには、実際の収支予想を反映した「よりリアルな利回り」を計算しておきたいものです。

そこで計算しておきたいのが、「実質利回り」とローンを活用するときに使える「キャッシュオンキャッシュ利回り」です。

2-1. 実質利回りの計算方法

実質利回りは、年間の家賃収入だけでなく、管理費や税金などの諸経費を考慮して計算した利回りです。

実質利回り(%)=(年間の家賃収入-諸経費)÷(物件価格+購入時諸経費)×100

上記のような計算式を使って実質利回りを求めることができますが、次のような例を使って、表面利回りと実質利回りの差を見てみてみます。

物件価格:5,000万円
年間家賃:600万円
諸経費:200万円
購入時諸経費:200万円

表面利回り: 600万円÷5,000万円×100=12%
実質利回り:(600万円-200万円)÷(5,000万円+200万円)×100=7.69%

このように、経費を計算に入れると、表面利回りよりもかなり低い利回りになってしまうことがわかります。実際に物件を買うかどうかを考えるときには、必ず実質利回りまで計算しておかなければなりません。

2-2. キャッシュオンキャッシュ利回りの計算方法

さらに、ローンを利用してアパート経営をする場合には、キャッシュオンキャッシュ利回り(CCR)についても計算しておきます。

キャッシュオンキャッシュ利回りとは、ローンを除いた自己資金に対して得られた手取り金額の割合を求めるもので、次のような式で求めることができます。

CCR(%)=(年間の家賃収入-銀行への返済を含む諸経費)÷自己資金×100

これを実質利回りを求めた時と同じ物件を例にして計算してみます。

物件価格:5,000万円
年間家賃:600万円
諸経費:200万円
購入時諸経費:200万円

※ただし、自己資金1,200万円で4,000万円のローンを組んだとします。20年の返済期間で、毎年の返済額は元本と利息をあわせて245万円です。

CCR(%)=(600万円-200万円-245万円)÷1,200万円×100=12.9%

このように、ローンを活用した場合には、その分だけ自己資金よりも多額の投資をすることができます。これを「レバレッジ効果※」と言い、自己資金に対する利回りであるキャッシュオンキャッシュ利回りが大きくなります。

※小さな力で大きな効果を出すこと。この場合は、少ない自己資金とローンで投資効果を上げ、収益性も高めることをさす。

自身のお金がどれだけ増えるかという観点での計算となるため、ローンを活用してアパート経営をする場合には、キャッシュオンキャッシュ利回りについてもチェックしておくようにしてください

3. 保守的に利回りを予想して、より安全な物件を探し出す

ここまで3種類の利回りについて説明してきましたが、実質利回りとキャッシュオンキャッシュ利回りを求めるためには、どの程度の経費がかかるのか、どれくらいの空室率になるのかを考えなければなりません。

未来の家賃・経費や空室率を言い当てることはできませんが、予測の精度を高めることがアパート経営を成功させるためには欠かせません

3-1. 周辺物件を参考にして先行きを予想する

実際にアパート経営をした時の利回りは、家賃・経費・空室率などの条件を決めることで計算できますが、その予測には周辺物件の動向を参考にすることができます。

人気があって住みたい人の方が多いのであれば空室率は低くなります。築浅物件や家賃が低めに設定されている物件であれば、さらに空室率を低く想定することもできるでしょう。
ただし、その際には、多少うまくいかなかったとしてもそれなりの利回りがあるかを見ておくため、保守的な予測をするようにしてください。

3-2. 不動産業者のアドバイスを受けて、現実的な利回りを想定する

ただ、不動産のプロではないのであれば、家賃や空室率を予測することは難しいでしょう。そこで、不動産業者にアドバイスを受けるようにしてください。

プロの人であれば、周辺物件の情報をたくさん持っているので、どの程度の家賃設定が現実的で、空室率がどれくらいになりそうかを一緒に考えてくれることでしょう。

3-3. 信頼できる不動産業者かどうかを試すことができる

不動産業者にアドバイスを受けることには、もうひとつ大きなメリットがあります。それは、不動産業者が信頼できるかどうかを判断することができるということです。

不動産業者としては、アパート経営をすると判断してもらいたいので、できるだけ「いい数字」を出そうとします。つまり、「高めの家賃でも借り手はいる」、「空室はほとんど出ない人気エリアだ」といった説明をしようとするのです。

そのときに、「どうしてそのように考えたのか」を深く質問してみてください。きちんとした客観的なデータなどを用いて納得感ある説明をしてくれるのであれば、信頼できる可能性が高いでしょう。

一方、「大丈夫です」、「信用してください」といったことばかり言ってくるようであれば、警戒した方がよいでしょう。

まとめ

アパート経営を成功させるためには、不動産業者が広告に掲載している表面利回りだけでなく、実質利回りやキャッシュオンキャッシュ利回りなども計算してください。

ここで、再度3つの利回りについて確認してみます。

表面利回り 満室想定の利回りです。経費を計算に入れないため、別の物件との比較がしやすい特徴があります。
実質利回り 経費や空室率の想定を反映して、実際に得られると想定できるリターンから計算する利回りです。表面利回りと異なり、現実的な計算ができます。
キャッシュオンキャッシュ利回り 自己資金に対してどれだけの利益が得られたかを計算する利回りです。ローンを活用している場合には、この利回りも参考にしてください。

実態に近い利回りを想定するのは難しいため、不動産業者のアドバイスを受けながら計算してみてください。
そのとき、信頼できるかどうかも合わせてチェックすることができ、一石二鳥です。

本記事の掲載内容は、最終更新日時点での情報です。
制度や法律については、改正等で内容に変更がある場合もございます。

SNSでもご購読できます

土地活用をお考えですか?
あなたの土地の収益最大化プランを大手企業最大7社がご提案!

無料で一括プラン請求