ビル経営のメリットとリスク、主な収入|賃貸住宅経営との5つの違い

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ビル経営のメリットとリスク、主な収入|賃貸住宅経営との5つの違い

土地活用や不動産投資の一環として、ビル経営をお考えでしょうか。
「ビル経営に興味を持ったものの、具体的にどういう条件が揃えばビル経営が出来るのか?」
「そもそも普通の賃貸住宅経営とビル経営では何が違うのか?」
と気になっている方もおられるのではないでしょうか。
そこで今回は、

  • ビル経営と賃貸住宅経営の違い
  • ビル経営のスタイル
  • ビル経営をするメリットとリスク
  • ビル経営の主な収入

について解説します。ビル経営全体に対してのイメージを把握して、土地活用の新しいアイデアの助けにしてください。

1.ビル経営とは

ビルを建築し(または相続、購入する)、法人などのテナントへ賃貸して賃料を得るのがビル経営です。

ビル経営の最大の魅力は、テナントからの賃料によって収益が長期間、継続して得られる点です。
また土地と物件それぞれに資産価値が残ります。ビルは鉄筋コンクリート造りが多く、耐用年数が他の構造建築物と比較して長いため長期の運用が可能です。また不動産のため、株などのように価値が短期間で大きく下がるリスクはありません。
さらに、同じ賃貸物件のアパート・マンション経営と比較して、ビル経営は収入が大きくなるというメリットがあります。

このように魅力あるビル経営ですが、成功するには「立地条件」が重要です。
ビル経営では人が集まる立地でなければテナント募集に支障をきたす可能性が高いといえます。また賃貸住宅経営とは異なる注意点もあります(3章)。そのためビル経営は、比較的アパート・マンション経営より難易度が高い土地活用方法のひとつとされます。

しかし、今まで検討していた土地活用方法に今一つ納得できなかった方、条件の良い土地(3章で説明)などをお持ちの方は、ビル経営を前向きに検討してみる価値があります

【参考】ビル経営を始める3つのケース

ビル経営を始める場合、3つのケースが考えられます。これからビル経営を考えている場合、ビル経営のプロの知見を頼ることも重要になってきます。

(1)手持ちの土地の活用のためにビル経営を考えている

ご自身が既にお持ちの土地を活用するためにビルを建築するケースです。立地状況とその地域の需要をよく調査して、ニーズに沿ったビルを建築することで安定したビル経営が可能になります。

立地のほかにも、ビル経営に適した「条件」があります。
ご自身がお持ちの土地が「ビル経営に適しているかどうか」を知るには、NTTデータグループが運営する「HOME4U(ホームフォーユー)土地活用」での一括プラン請求がおすすめです。
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(2)親などからビルを相続した(または今後相続する予定)

親などの所有するビルを相続するケースです。既存のビルを利用するため、建物を建築するところからスタートするよりはハードルは低いと考えられます。
すでにビル経営用に建築済で必要な設備(3章で解説)が揃っており、入居者(テナント)がいる物件である可能性も高く、購入後すぐに経営がスタートできる点がメリットといえるでしょう。

ただし、相続するまで親がどのようにビル経営を行っていたか、全く知らなかったという方もいます。
中には、親のビルの経営状況が酷いことを相続で初めて知って、「空室が多く、改善のために建て替えやリフォームを行いたいがどうすればよいのか」「管理のコストを下げたい」「入居しているテナントに問題があるが対処方法が分からない」など困惑する方もおられるようです

ビルの賃貸経営について、プロの提案を得たい場合は「賃貸経営 HOME4U」の利用がおすすめです。

(3)ビル一棟(土地+物件)を購入する

どちらかといえば投資家向きのケースです。
すでに市場で流通している投資物件(ビル)を一棟で購入します。購入にあたっては、そのビルの流通性や経営状態などを総合的に見て判断する必要があります。

「テナントの入居率があまり良くない(空室率が高い)」「築年数がかなり経過している」など経営状況や物件そのものの価値に問題がある場合、金融機関の審査が厳しくなり融資が通らない場合があります。
また土地と中古の建物を購入するため、すでにある土地に建物を新築するより高額になる傾向があり(立地による)、利回りが悪くなります。

最初は手持ちの土地の活用のためにビル経営を始めた後、資産を増やすために他のビルを購入する可能性もあるでしょう。その場合は、物件価値の見極めと判断、堅実な収支計画を立てて運用することが大切です

2.ビル経営で得られる3つのメリット

ここでは、ビル経営による3つのメリットを説明します。

2-1.高い利回りが期待できる

一般的にビル経営は利回りが良く、投資資金の回収がしやすい傾向があります(立地条件による)。
利回りが良い理由の一つに、「賃料の高さ」があります。
また立地が良い場合は退去があってもすぐに新規テナントが入りやすいため、空室リスクが低く、常時満室に近い経営を継続できれば利回りが下がりにくなります。

2-2.建築基準が賃貸住宅ほど厳しくないため自由度が高い

賃貸経営のための建物は、建築できる土地の形状や周辺の環境などが建築基準法や都市計画法などで決められており、良い場所に土地を持っていても、法律的な条件が合わずに希望の建築物が建てられないことがあります。

しかしビルの場合は、それらの条件が住宅であるアパートやマンションほど厳しくありません。仮にアパートやマンションを建築できないような変形地や日照の悪い環境でも、ビルならば建てて経営できる可能性があります。

そんな規制あったんだ!土地活用で重要な用途地域を徹底解説

2-3.相続税対策になる

ビル経営は所有不動産が賃貸用になるため、相続時に評価額の減額ができ相続税対策になります。
ただし、ご自身の住居用ではないので固定資産税などへの節税はありません

【参照】国税庁「土地家屋の評価

【相続税対策は不動産で!】理想を実現するための9つの方法

3.ビル経営と賃貸住宅経営、5つの違い

ここでは、ビル経営と、アパートやマンションなどの賃貸住宅経営との違いを説明します。

3-1.ビル経営には賃貸住宅経営とは異なる立地条件がある

ビル経営には、適している立地条件が3つあります。いずれも「人口密集地であること」が重要になります。
この全てに当てはまっていなくても堅実なビル経営をすることは可能ですが、ひとつの目安として確認しておきましょう。

3-1-1.都市部であること

東京都内、名古屋・大阪・仙台・福岡エリア、各都道府県庁所在地など、昼間・夜間を問わずビジネスや娯楽などで人口が密集する地帯はビル経営に最適です。

3-1-2.駅にできるだけ近いこと

駅から徒歩圏にある土地は、ビル経営に向いています。一般的には、

  • 乗降者数の多い駅
  • 昼間人口が多い地域の駅
  • 住宅地として人気がある地域にあり、都心へのアクセスが良い駅
  • 急行停車駅

などが望ましいとされます。

しかし、例えば各駅停車駅でも、乗降者数や昼間人口が多くテナント需要がありながら、駅周辺にビルが少ない、または古いビルばかりというケースもあり、そのような状況では最新設備の整ったビルの需要が見込める可能性があります。その土地の需要を詳細に調べることが必要です。

3-1-3.大通り沿いにあること

人通りの多い大通りに面した土地は、ビル経営に向いています。
例えば駅から多少離れていても、バスなどの公共交通機関によるアクセスが良く、ビルの中または近隣に駐車場があれば、さらにビル経営には有利といえます。

3-2.ビル経営は、賃貸住宅経営よりも賃料を高く設定できる

ビルの賃料は(立地条件がビル経営の条件を満たしている場合)、アパート・マンションなどの賃貸住宅経営で得られる賃料よりも高く設定できます

理由の一つに、ビルはビジネス(商用)で利用するため、一日に出入りする人数も、設備を使用する回数も一般住居であるアパートやマンションとは比べ物にならないほど多くなることが挙げられます。
そのため、同じ平米数の建物であっても、商用ビルのほうが建物の傷みなどのリスクが生じやすく、その分を最初から想定して賃料設定を高くすることになります。

また、オフィスビルは専有面積の広さと比例して坪単価が高くなる傾向があります。
ビルの場合、一つのフロアに含まれる共有部分(トイレ・エレベーターホール・エレベーター・給湯室ほか)が居住用賃貸物件の共有部分とは大きく異なることも理由の一つと考えられます。

ただし、ビルの賃料の決め方は一定ではなく、立地・景気動向・地域の状況・ビルのグレードなどを含めた総合的な市場調査(マーケティングリサーチ)をもとに決定されます。

なお、繰り返しますが、賃料を高く設定できるのはあくまでも「ビル経営に適している立地」という条件に合致している場合に限られます

3-3.ビル経営のほうが景気に左右されやすい

ビルに入居している企業や店舗(テナント)の展開するビジネスは、景気の動向により事業縮小することがあり、最悪の場合は退去もあり得ます。
また、長く景気後退が続くと従前の賃料では新規の入居者応募が減ってくることから、やむなく賃料を下げなくてはならない場合もあります。

居住物件の賃貸経営は世の中の景気が悪くなっても、「住む」=「生活を営むために最低限必要な場所」のため、ビル経営に比べれば景気に左右されにくいといえます。

3-4.ビル経営では付加使用料の支払がある

賃貸住宅経営の場合は、入居者が個別で光熱水費(電気・水道・ガス)の契約をします。
一方、ビル経営の場合は「付加使用料」という、専有部分で使用した光熱水費などをまとめてビル側が支払い、ビルに対して各フロア入居者が使用分を清算するという方式を取ります。
なお、共有部分の使用料は月額で共益費としてテナント側が支払います。
これらの計算と請求作業は、ビルオーナー側の仕事になります。

3-5.ビルに必要な設備がある

ビルとして必須の設備、また入居者が商用ビルとして期待する設備が必要です。

3-5-1.電気設備:受変電設備(キュービクル)、非常用電源、ほか

受変電設備と非常用電源は必須。受変電設備の配置は、多くは地階または屋上になります。洪水などによる浸水の場合はどこに受変電設備があるかで影響が変わってきます。

またテナントすべてに対応できる十分な電気容量が必要です。
例えばオフィスビルの場合は、多くのPCやOA機器などを同時に使用できるだけの電源と配線設備が必要になります。一つの部屋(区画)に対しておおよその収容人数が決まっていますので、その人数が使用するOA機器がすべてつながるかどうかが目安になります(施工会社が試算をしてくれます)。

古いビルの場合は、この容量そのものが後から変更できないケースが多いため、中古ビルの購入を検討している場合は電気容量を確認しましょう。

3-5-2.空調設備

全館空調システム。賃貸住宅経営の場合は個別の居室ごとにエアコンをつけるなどの対応になりますが、ビルの場合はビル側で制御することが通常です。

3-5-3.換気設備

建築基準法により、居室ごとに床面積の1/20以上の換気に有効な窓が必要とされています。窓が確保できない場合は換気設備が必要です。
多くのビルでは、特に高層になるほど開閉する窓の確保が難しく、換気設備が設置されています。

3-5-4.給水設備

貯水槽を設置しない「直結給水方式」と、貯水槽を設置する「貯水槽水道方式」があります。
直結給水方式の場合は貯水槽を置くスペースや点検作業も不要ですが、火災や災害時の給水ができません。
貯水槽水道方式は貯水槽のスペース、点検と清掃にコストがかかります。火災や災害時は貯水槽に残っている水を利用できます。

3-5-5.床や天井の高さと強度

ビルに適切な天井高と床の強度が必要です。

・天井高

建築基準法ではビルの天井高は2.1m以上という決まりがあります。
一般社団法人日本ビルヂング協会連合会の平成28年度に行った調査結果によれば、全国のビル天井高平均は2.61mですが、平成8年度以降に竣工したビルからは2.7mが平均になっていることから、ビルの天井高は新しいものほど高くなっている傾向があるようです。

【参照】一般社団法人日本ビルヂング協会連合会「ビル実態調査の調査概要

・床の強度

床の加重強度は平均で300kg/平米ですが、大型ビルではサーバー・大型金庫・大型書庫などの過重が必要な機材などを想定して500㎏/平米~1,000㎏/平米の加重に耐えられるヘビーデューティーゾーンを設けています。
ビル構造としてもともと強度補強がしてあるトイレやエレベーター付近などに設置されます。

3-5-6.耐震・免震強度がある

ビルの耐震・免震強度が必要です。

中古のビルで1981年よりも前に建てられたビルは旧耐震と呼ばれ、「震度5強程度(中地震)」の地震に耐えられるように設計された建物です。
そのため旧耐震ビルは震度6~7の大地震には耐えられないと想定されており、耐震性を強める耐震補強工事をしておく必要があります。補強工事をすると、新耐震基準相当まで耐震性を確保できます。
1981年以前のビルを購入する場合には注意が必要です。

【参照】一般社団法人耐震総合研究所

3-5-7.駐車場(ビル内に無い場合は近隣にコインパーキングなど)

中堅以上の大きさのビルの場合は、車での移動や来訪者のために駐車場が完備されているほうが望ましいでしょう。
駐車場設置は、国土交通省の政令した駐車場の附置義務制度という、一定の地区内、一定の希望以上のビルの場合のみ義務付けられています。

【参照】国土交通省「駐車場の附置義務制度」(平成29年9月7日 国土交通省都市局)

3-5-8.エレベーターの設置

エレベーター設置の義務は建築基準法と、各都道府県令によって決まります。
建築基準法では高さ31m以上の建物にはエレベーター設置が義務付けられていますので6~7階以上ある建物には必須になります。しかし最近では3~4階のビルでもエレベーターがついていることの方が多く、テナントに選ばれる条件として、低層ビルでもなるべくエレベーターは設置したほうが良いでしょう。

なお、エレベーターの寿命は平均30~40年となっています。定期点検なども入れると維持費がかかりますが、メンテナンスを怠れば大事故にもつながるため、削ることが出来ないコストです。

【参照】建築基準法 第34条 昇降機
【参照】国土交通省:「昇降機に関わる都道府県令

3-5-9.防犯設備、セキュリティー面の対応

ビルの安全を守るため、防犯設備として防犯カメラ設置や警備員巡回などが必要になります。

不特定多数が自由に出入りできる商業ビルは、居住用物件であるマンションやアパートなどよりも犯罪が起きやすい背景があるため、しっかりした防犯対策がある方がビルの経営方針として望ましいでしょう。
大規模な商業ビルやテナントで起きやすい被害としては、例えば空き巣・万引き・車上荒らし・落書きなどがあります。

小中規模ビルの場合は、防犯カメラ設置だけの場合もあります。

【参照】公益財団法人 日工組社会安全研究財団「防犯性に優れた大規模商業施設のガイドライン

3-5-10.高度な水回り設備の設置

水回りとはキッチン(給湯室)・洗面室・トイレ(これらに付随する水栓蛇口類を含む)などを指します。
定期メンテナンスに加え、不具合が出た場合には都度、修繕が必要になります。

水回りのトラブルは緊急性が高く、放置しておくと階下やビル全体に広まる可能氏がるため、見過ごすことができません。そのため定期的なメンテナンス以外にも、上下水道設備の耐用年数前(30年前後)に、配管取り換え工事などが必要になります。
新築、または竣工から築年数の浅いビルの場合はしばらく問題ありませんが、中古ビルを相続した、または購入した場合は配管設備の耐用年数の残りをチェックしておきましょう。

3-5-11.搬入口などの設置

ビルのエントランスとは別の場所に、資材や荷物などを搬入できる入口が必要なケースがあります。
特に都心部では、近年の宅配件数の急激な上昇により、道路事情と実際の荷捌きのバランスが取れておらず、交通渋滞や再配達による宅配員の過重労働が問題視されており、一定以上の荷物を搬入するビルには搬入口と荷物手配のための場所の確保が行政から指導されるケースがあります。

【参照】東京都 環境局

3-6.その他

原状回復費用の負担など、以下のような違いがあります(条件や契約内容により異なるため、一例です)。

ビル経営 賃貸住宅経営
内装の原状回復費用 テナント側が負担(契約による) 経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は賃料から捻出(オーナー負担)、それ以外は入居者負担
解約予告時期 3カ月~6カ月前 1カ月前
敷金・保証金 12カ月~24カ月分(賃料、貸付面積規模による) 0~2カ月分
平均入居期間の傾向 長期間 短期間

4.ビル経営で得られる収入

ビル経営の収入は賃料が多くを占めますが、以下のように、ビルの特性を生かして副次的な収入を得ることも可能です。

  項目 支払う者 詳細
主な収入 賃料 テナント(入居者) フロア、区域の使用料
更新料 テナント(入居者) 賃貸借契約更新料(定期借家契約の場合は更新料は無し)
共益費・管理費 テナント(入居者) 共有部や建物設備の修繕料
敷金・保証金 テナント(入居者) 契約時に預かる。室内の破損や汚損、家賃滞納に対してここから補填
副次的な収入 広告看板設置料 広告出稿者 ビルの一部(屋外)に看板等広告を設置して得られる賃料
自動販売機設置料金 飲料会社 自動販売機をビル内に設置して得られる賃料
基地局設置料 携帯電話会社 携帯電話の基地局設置により得られる賃料

5.ビル経営の4つのスタイル

ビル経営の4つのスタイル オフィス街ここでは、代表的なビル経営のスタイルを4つ紹介します。どのようなスタイルでビル経営するのかについては、物件自体の特性と立地条件によって決まってきます。

5-1.オフィスビル

オフィス(事務所)として使用することが主な目的のビルです。低層階にはオフィスで働く人たちの利便性が高まるよう、飲食店・コンビニなどの店舗が入ることがあります。
ビジネス街にある、交通機関の乗り入れが便利な場所に適しています。

5-2.商業ビル

小売・飲食などの商業店舗をテナント入居させるビルです。
立地条件が良ければテナントの売り上げが上がり、長期間の継続入居が期待できます。

なお、商業ビルのうち、同じ業種のテナントを中心に入れるケースもあります。
例えば、服飾や服飾雑貨など女性向けアパレル関連のテナントを多く入居させているビルは、ファッションビルと呼ばれることもあります(渋谷の109、新宿のALTA、JR駅のアトレなど)。
他にも、5-4で紹介するメディカルビルは、医療機関や医療に関するテナントのみを入れるケースになります。

5-3.住居との複合型

住居とテナント施設が複合されたビルです。
例えば、ビルの1F部分にはスーパー、低層階には小規模な事務所や医院などがテナントとして入り、中上階がマンションになっているケースなどがあります。
昭和時代から存続するスタイルで、比較的新しい大規模な複合型ビルの例としては、商業・住居・ホテルなどが入った六本木ヒルズがあります。

【参照】日本建築学会計画系論文集「PDF都市型用途複合施設利用実態に関する研究

5-4.医療専門ビル

メディカルビル(メディカルモール)とも言われ、1つのビル内に複数の医療機関・薬局などを入居させるビル経営の方法です。

  • 一か所に医療機関が集まることで患者を集めやすい
  • 入居テナント同士の相乗効果があり、総合病院のように診察上の連携が図れる
  • 医療機関のため、地域住民への貢献度が高い
  • 一度入居すると長く賃貸してもらえる

などのメリットがあります。

デメリットとして、医療関連のテナントに限るため、一つのテナントが退去した後に新しいテナントがオフィスビルなどと比べて見つかりにくい傾向があります。

6.ビル経営の4つのリスク

本章ではビル経営で起こり得るリスクについて説明します。

6-1.景気に左右される

景気が悪化すると、多くのテナントは事業規模の縮小などにより撤退をする可能性が高いでしょう。
また、長期の景気低迷の場合は、賃料を下げて募集をしなくてはならなくなるでしょう。特に、賃料の大きいビル経営ほど、景気に左右される可能性は高いといえます。

6-2.空室になった場合のリスクが高い

ビルのテナント入居者が決まらず、賃料収入が得られないことを空室リスクと言います。不動産は所有しているだけで維持費と税金がかかりますので、空室期間は少ないほうが良いのは当然といえます。

住宅であるアパート・マンションなどの賃貸経営と比べると、ビル経営はビジネスの状況によって入れ替わりがあり、フロアの占有率も高いため、退去が起きると大きな減収となりやすく、結果として経営にとっての空室リスクが高くなる傾向にあります。

6-3.常に強い競合が周辺に存在する

ビル経営に適した土地には、多くのテナントビルが集まります。そのため、周辺のテナントビルは競合としてテナントから比較されることになります。

また、常に新しいビルが建設されます。最新設備を整えてビル経営をスタートさせても、技術の進歩のため、わずか数年でごくありふれた普通の設備となってしまうことは仕方のないことです。
そして、大手デベロッパーが立ち上げる莫大な資金力を背景にしたビルも、同じビル経営の「競合」になります。
これらの競合に負けない、テナントを誘致しやすい物件にするためには、「差別化」が重要になります(5-4で説明)。

テナントは住居と違い、個人的な趣向で「ここが好き」と定着するよりも、より良いビジネス条件を求めて移動することから、ビル経営にはライバルが多いといえるでしょう。

6-4.差別化に費用がかかる

より良いテナントを多く集めるために、周辺のビルとは違った特徴や強みを付けて、ライバルに勝つ必要があります。

例えば、3章で説明したように、ビルには賃貸住宅よりも様々な設備をそろえることが必要です。それら以外にも、より差別化を図るために

  • 景観やエントランス周辺の整備と美化を行う
  • オープンスペースを確保する
  • 清掃を常に行う
  • 空調設定を最適化して温度、湿度を快適に保つ
  • 女性・子供・シニアにも優しい造りにする(ビルに入るテナントに左右される)
  • トレンドにあったテナントを誘致できるコンセプトを有している
  • 統一感のあるデザインを採用する

など、「付加価値」を上げたビルにすることで、需要を増やし、場合によっては周辺の競合より賃料を高く設定することもできるでしょう。

ただし、当然ながら投資費用も高くなります。
建築計画の段階から、その立地にどのようなニーズがあるのか、どのような特徴づけを行いどのような業種のテナントを主に誘致するのか、しっかりと周辺の調査を行い、長期的な収支プランを立てることが大切です。

7.手持ちの土地に最適なビルを建てるための方法

この章では、すでに土地があり、立地にも恵まれている方がビルを建築してビル経営を始める際の方法をお伝えします。

7-1.複数のビル経営プランを取り寄せて比較検討する

ビルを建築する際、まずは複数のプランを比較することから始めましょう。

ビルの土地活用提案を請負工事会社に依頼すると、設計プラン・収支プランを出してもらえます。まずはプラン提案を受けてビル建築とビル経営の全体像をつかみましょう。

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ビルは長期に亘って収益を生む資産になるため、信頼のおける大手の請負工事会社に建ててもらった方が安心です。
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まとめ

ビジネスマンとビルの背景いかがでしたか。この記事ではビル経営とは何か、具体的に説明しました。

ここまでお読みになられた方の中には、ビル経営にさらに強く興味を持たれた方もいらっしゃると思います。立地条件が重要ですが、ビル経営に適した土地をお持ちの方であれば、「HOME4U 土地活用」を利用し、土地活用・資産活用の中にビル経営も視野に入れることをおすすめします。

本記事の掲載内容は、最終更新日時点での情報です。
制度や法律については、改正等で内容に変更がある場合もございます。

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