アパートを建てようとすると、建ぺい率という言葉が登場します。建ぺい率とは一体何を表すのか、アパート建築においてどのような影響を与えるのかについて解説します。

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更新日
2023.07.20
カテゴリ
アパート経営, 記事

【徹底解説】建蔽率とは?アパートを建てる前に知りたい建蔽率の基礎知識

【徹底解説】建蔽率とは?アパートを建てる前に知りたい建蔽率の基礎知識

建ぺい率とは、建築面積の敷地面積に対する割合のことです。
この記事をお読みいただくと、建ぺい率についてわかるようになります。
ぜひ最後までご覧ください。

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1.建ぺい率とアパート建築

建ぺい率とは、建築物の建築面積の敷地面積に対する割合をいい、用途地域別にその上限が定められています。

これは日照、通風、採光、防災等の市街地環境を維持するために、敷地内に一定の空地を確保するための規定です。

建築面積とは、建築物の外壁・柱の中心線で囲まれた部分の面積をいいます。
簡単な言い方をすると、建物を上から見たときの面積が建築面積です。

ただし、軒、ひさし、バルコニー等でこの中心線より1m以上突き出たところがあるときは、先端より1m後退した部分までは建築面積に算入されます。
また、地階で地盤面上1m以下にある部分は、建築面積に算入されません。

建ぺい率はパーセントで指定されます。
例えば100坪の敷地で50%の建ぺい率が指定されているエリアでは、建築面積が50坪の建物まで建てて良いことになります。
建ぺい率が80%と指定されているエリアになると、100坪の敷地で建築面積が80坪の建物まで建てることが可能です。

大きな建ぺい率が指定されているエリアで建ぺい率目一杯に建物を建ててしまうと敷地内に庭が全くできず、ギュウギュウに詰まった感じの土地利用となります。

高級住宅街では建ぺい率が50%と指定されていることが多いです。
高級住宅街がなんとなくゆとりのある街並みが形成されているのは、建ぺい率が50%で指定されており、土地の半分が庭となっているからです。

アパート建築においても、建ぺい率が50%と指定されているエリアで建てれば、50%の敷地は駐車場や物置スペースとして利用することができます。

2.建ぺい率が適用されるエリアとアパート経営

日本全体は、都市計画法によって「都市計画区域」、「準都市計画区域」、「都市計画区域外」の3つの区域に分けられており、建ぺい率は都市計画区域及び準都市計画区域内においてのみ定められています

都市計画区域とは、一体の都市として総合的に整備し、開発し、保全する必要がある区域のことです。

準都市計画区域とは、高速道路のインターチェンジ周辺や幹線道路の沿道等で、散発的な都市的土地利用が発生する恐れがあり、土地利用の整序や環境保全が必要な地域のことです。

都市計画区域や準都市計画区域は、ある程度、人が住んだり、働いたりしている地域のことになります。
建築基準法では、ある程度人が住む都市計画区域や準都市計画区域に対して、建築物の接道、用途、形態等について制限を加えることによって、建築物が集団で存している都市の機能確保や適正な市街地環境の確保を図るため「集団規定」と呼ばれる特別の規定を設けています。

集団規定には建ぺい率の他、容積率や道路の接道義務といった規定が設けられています。

該当のエリアは、一定以上の人が住んでいるエリアですので、アパート経営がしやすいと判断できる一つの指標といえます。

3.建ぺい率と容積率との違い

建ぺい率と常に一緒に語られる規制に容積率があります。

容積率とは、延床面積の敷地面積に対する割合です。
建ぺい率は建物を上から見た場合の平面的な規制であるのに対し、容積率は建物を横から見た場合の空間的な規制になります。

容積率は、建物の大きさ(許容度)を規制している数値であり、容積率が高ければ高いほど階数の高い建物を建てることができます。

また、建ぺい率と容積率は切っても切れない関係にあります。

例えば、100坪の敷地で建ぺい率が50%、容積率が100%と指定されている土地Aがあったとします。

土地Aで建ぺい率50%を目一杯消化した場合には、2階建て(50%×2フロア=100%)までの建物を建てることができます。

一方で、土地Aで建ぺい率を33%だけしか消化しないとすると、3階建て(33%×3=99%)までの建物を建てることができます。

建物を細くし、使用する建ぺい率を小さくすれば、背の高い建物を建てることができるのです。

建物の高さは建ぺい率をいくらまで消化するかによっても決まりますが、一般的には容積率が高い土地ほど、高い建物を建築することが可能です。

例えば容積率の高い土地であればマンションやオフィスビルなどの高層建物を建てることができますが、容積率の低い土地であれば2階建てアパートしか建てられないといったことが生じます。

土地活用を考えた場合、大きな建物を建てた方が賃貸面積は多くなるため、収入が上がることになります。
収入を多く生むことのできる土地であれば、その分、土地の価値は上がります。
つまり、容積率は土地の価値に直結します。
一般的には容積率の高い土地ほど、土地価格は高くなります

それに対して、建ぺい率は建物の大きさに直接的な影響は与えないため、土地の価値に与える影響は少ないです。
そのため、土地の価値や利用用途に与える影響は、建ぺい率はそれほど重要ではなく、容積率の方が重要な数値となっています。

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4.アパート建築と用途地域・建ぺい率の関係

建ぺい率は用途地域の区別によって、さらに詳細に定められています。
用途地域とは、住居、商業、工業等の用途を適正に配分して、住居の環境を保護し、商工業の利便を増進するために定められた13種類の地域の総称です。

用途地域には以下の13種類があります。
アパートは工業専用地域以外の全ての用途地域で建築が可能です。

(1) 第一種低層住居専用地域
低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するための地域。
(2) 第二種低層住居専用地域
主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するための地域。
(3) 第一種中高層住居専用地域
中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するための地域。500平米までの一定の店舗や病院、大学等が建てられる。
(4) 第二種中高層住居専用地域
主として中高層住宅に係る良好な住居の環境を保護するための地域。1,500平米までの一定の店舗等が建てられる。
(5) 第一種住居地域
住居の環境を保護するための地域。3,000平米までの店舗やホテル等も建てられる。
(6) 第二種住居地域
主として住居の環境を保護するための地域。パチンコ屋やカラオケボックス等も建てられる。
(7) 準住居地域
道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利用の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するための地域。
(8) 田園住居地域
農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するための地域。
(9) 近隣商業地域
近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業等の利便を増進するための地域。
(10) 商業地域
主として商業その他の業務の利便を増進するための地域。
(11) 準工業地域
主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するための地域。
(12) 工業地域
主として工業の利便を増進するための地域。住宅や店舗は建てられるが、学校やホテルは建てられない。
(13) 工業専用地域
工業の利便を増進するための地域。住宅は建てられない。

都市計画区域および準都市計画域内の各地域区分における、原則の建ぺい率は以下のようになります。

地域区分 原則の建ぺい率
5つの専用地域(※1)および田園住居地域 30%、40%、50%、60%(※3)
3つの住居地域(※2)および準工業地域 50%、60%、80%(※3)
工業地域 50%、60%(※3)
近隣商業地域 60%、80%(※3)
商業地域 80%
無指定(※4) 30%、40%、50%、60%、70%

※1 5つの専用地域とは、「第一種低層住居専用地域」、「第二種低層住居専用地域」、「第一種中高層住居専用地域」、「第二種中高層住居専用地域」、「工業専用地域」です。
※2 3つの住居地域とは、「第一種住居地域」、「第二種住居地域」、「準住居地域」になります。
※3 都市計画でいずれかを定めます。
※4 特定行政庁がいずれかを定めます。特定行政庁とは、建築主事と呼ばれる役人を置く地方自治体の長(市長等)のことです。

上記のように、用途地域は原則の数値が定められています。

5.アパート敷地と建ぺい率の緩和措置

建ぺい率には、原則値に10%を加えることができる緩和措置があります。

アパートの敷地が以下の2つの条件を満たす場合、建ぺい率の緩和措置を受けることができます。

  1. 街区の角地等で特定行政庁が指定するものの内にある建築物
  2. 原則値80%とされている地域外で、かつ、防火地域内にある耐火建築物

1つ目の条件は「角地緩和」と呼ばれるものになります。

ただし、角地緩和が適用されるものは、特定行政庁が指定する角地に限られます。
一般的な角地であれば角地緩和は適用されますが、角地の一方の道路が細い私道であるような場合には、角地緩和が認められないケースがあります。

2つ目の条件は、「防火地域内にある耐火建築物」です。

防火地域とは、市街地における火災の危険を防除するために定められた地域です。
その地域内の建物は、階数が3階以上(地階を含む)、または延床面積が100平米を超える建築物は耐火建築物としなければならないという規定があります。

建ぺい率を緩和して建築面積が広がれば、隣地との建物に近づき、火災時に延焼しやすくなりますが耐火建築物であれば、隣地に延焼しにくい建物となるため、建ぺい率を緩和しても良いという考えを採用しています。

6.特殊なアパート敷地と建ぺい率

この章では特殊なアパート敷地の建ぺい率の求め方について解説します。

6-1.用途地域がまたがっている場合

アパートの敷地がたまたま容積率の異なる2つの用途地域にまたがっている場合は、建ぺい率は面積案分によって求められます。

例えば、以下のように1つの敷地に建ぺい率がまたがっている土地のケースを考えます。

建ぺい率は、以下のようにして求められます。

基準容積率 = A面積/(A面積+B面積) × A容積率 + B面積/(A面積+B面積) × B容積率
      = 180/300 × 50% + 120/300 × 60%
      = 54%

6-2.防火地域の内外にわたる場合

アパートの敷地が防火地域の内外にわたる場合、その敷地内の建築物の全部が耐火建築物であるときは、その敷地の全部が防火地域内にあるものとみなされます。

 

例えば、上図のように敷地の一部が防火地域で耐火建築物が建っている場合には、建ぺい率の緩和措置が適用され、10%が加算されることになります。

7.自分が建ぺい率を理解しなくても、専門家からのアパート建築プランが手に入る

アパートの建築プランは、建ぺい率だけでなく、容積率や他の建築基準法の制限によっても決まります。

建ぺい率は、数ある建築制限の中のほんの一部です。

土地活用では、ある程度の知識は必要ではありますが、建築規制の細かい部分までは理解する必要はありません。
建築は、大学で建築学科もありますし、一級建築士などの国家資格もあります。
専門性が非常に高い分野なので、一般人には簡単に理解できません。
本来なら、一級建築士の人にお金を払ってどのようなアパートが建てられるか、設計図を描いてもらう必要があります。

しかし、「HOME4U(ホームフォーユー) オーナーズ」を使えば、建ぺい率などの専門知識を持つ、一級建築士が在籍するハウスメーカーに、信頼できるアパート建築プランを、無料で相談できます。
そのため、建築の知識を全く知らなくても、どのようなアパートを建てることができるのか、知ることができるのです。

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まとめ

いかがでしたか。
アパート建築における建ぺい率について解説してきました。

建ぺい率は、建築面積の敷地面積に対する割合であり、建ぺい率が大きいほど建築面積が広い建物を建てることができます。

建物は建ぺい率だけでなく、その他の建築基準法や自治体の条例でどのような建物が建つかが決まります。

建築の世界は奥が深く、全てのことを理解するのは、実際には難しいです。

そのため、アパートを建てるには専門的な知識を持ったパートナーを探すことが重要です。

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