アパート経営で相続税対策を成功させる3つの心得と始め方

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アパート経営は、相続税対策に抜群の効果があります。
そもそも相続税は、「一定以上」の相続財産を受け継いだ場合に課税され、しかも財産が多いと税率が上がる仕組みです。

アパート経営を行うと、相続財産の評価額を大幅に下げることができるので、相続税を減らしたり、場合によっては相続税の課税を回避できる効果があります

しかも、アパート経営の節税効果は、相続税だけではありません。
土地・建物に毎年課税される固定資産税・都市計画税の負担を減らし、給与所得等に課税される所得税・住民税も節税できる可能性があります。

このように、アパート経営が節税に有利なのは間違いありませんが、注意点もあります。
相続税を節税できても、結果的に財産を減らすようなことにならないよう、収益性を事前に十分検討することが大切です。

そこでこの記事では、アパート経営と節税にフォーカスして、詳しく解説していきます。
大切な資産をできるだけ多く次の世代に残すために、ぜひご参考になさってください。

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1.アパート経営による相続税対策!なぜ効果抜群なのか?

まず、アパート経営による相続税対策はどのくらいの効果があるのか、具体的に見ていきます。

1-1.相続税対策は「相続税評価額」を下げることが大切

相続税の節税対策では、相続税評価額」をなるべく小さくすることが大切です。
預貯金や不動産などの資産の総額が「基礎控除」を超えなければ、相続税の課税対象にならないで済みます。

基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数

また、課税対象となった場合、相続する資産が多いと、相続税の税率は高くなってしまいます。
税率は10~55%と非常に高い水準なので、相続税評価額を下げることが大変重要です。

1-2.アパート経営なら「土地・建物の評価額」が下げられる

アパート経営は、資産の「相続税評価額」を下げるのに有利です。
不動産の相続税評価額の決め方は複雑なので、はじめに概要をまとめておきます。

  • アパートを建築すれば、土地の相続税評価額が下がります。
  • アパートの建物部分の相続税評価額は、実際の建築費の半分以下になります。

もともとの土地・建物の時価を100とすると、50前後まで相続税評価額が下がります。

それでは、詳細に解説していきます。

1-2-1.【土地の相続税評価額】

土地の相続税評価額は、まずベースとなる「評価額」を求めた上で、各種の減額制度を考慮していきます。

路線価等を基に「評価額」を求める→貸家建付地の減額を考慮→小規模宅地等の特例を考慮

ベースとなる「相続税評価額」は、一般的に時価の7~8割程度の水準で評価されます。
具体的には、国税庁が定めている「相続税路線価」を基に、形状などを補正して算出します。
なお、「相続税路線価」が定められていないエリアでは、固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて求めます。

・貸家建付地の減額

更地にアパートを建てると、その敷地は「貸家建付地」の評価になり、上記で決められた相続税評価額よりも約2割下がります。

貸家建付地の評価額=自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

※借地権割合は地域によって異なり、30~90%の間で定められていますが、60~70%の地域が多いです。
借家権割合は、全国一律で30%です。
賃貸割合は、貸し出している部分の割合で、長期的に空室になっている部分は除外されます。

例えば、土地の時価を100とすると、相続税評価額が70~80となり、さらに貸家建付地の減額により56~64程度に下がります。

・小規模宅地等の特例

さらに、アパートの敷地については「小規模宅地等の特例」という優遇制度があります。
これは、200平米まで相続税評価額が50%減額される制度で、大きな節税効果があります。
特例を適用するには、「相続人が相続税の申告期限まで賃貸経営を継続している」といった要件を満たす必要があります。

その他の要件については、国税庁ホームページ(「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」)をご覧ください。
また、2019年4月1日以後の相続では、「相続開始前3年以内に新たに事業の用に供された宅地等を除く」という改正がなされた点に注意が必要です(この点は4章でも解説します)。

1-2-2.【建物の相続税評価額】

次に、アパートの建物部分の相続税評価額について見ていきます。
建物の相続税評価額は、固定資産税評価額と同じです。
固定資産税評価額は、実際の建築費の5~6割程度の水準となります。

ここからさらに、アパートの建物部分の評価額は、「貸家の評価減」の制度によって減額されます。

家屋の評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)

※借家権割合は全国一律で30%です。
賃貸割合は、貸し出している部分の割合です。
例えば、建物の時価(建築費)を100とすると、家屋の評価額は50~60となり、さらに貸家の評価減により35~40程度に下がります。

1-3.アパートローン借入による節税効果

アパート経営を始めるときには、アパートローン(事業ローン、プロパーローンなど)を利用して建築費を借入する方がほとんどです。
相続税の計算では、アパートローンの借り入れ残高(マイナスの財産)を、プラスの財産から差し引きます
これによって、相続税評価額を大幅に圧縮することができます
例えば、預金や不動産などのプラスの財産の評価額合計が1億円、アパートローンの残高が5千万円であれば、相続財産は正味の5千万円とみなされます。

1-4.相続税評価額シミュレーション

土地の時価が5千万円、建物建築費が5千万円の場合でシミュレーションしてみます。
ここでは「小規模宅地等の特例」は考慮していませんので、この特例も使えばさらに評価額を下げられる可能性があります。

時価 相続税評価額
(ローン考慮前)
土地 5千万円 約2,800~3,200万円
建物 5千万円 約1,800~2,000万円
合計 1億円 約4,600~5,200万円

 

時価1億円に対して、相続税評価額は5,000万円前後と、約半分に減っています
そしてこのとき、アパートローンの残高が4,000万円だったとすると、ローン残高を差し引けるので、相続税評価額が1千万円程度になります。
アパート建築は、相続税評価額の圧縮効果が極めて大きいことがわかります。

1-5.アパートが古くなると節税効果が減るので注意!

築18年以上の古いアパートでは、節税効果が薄れている可能性が高いので、建て替えを検討する必要があります

その理由は3つ。

  • すでに借入金を完済していることが多く、借入金を相続税評価額から控除できない。
  • 老朽化により空室が慢性化し、「賃貸割合」が下がって、相続税評価額を下げる効果が弱まっていることが多い。
  • 木造なら18年で減価償却を終了しており、不動産所得の節税がしにくい。

「アパートさえ建てたら節税対策はバッチリ!」と安心してしまうオーナーさんも多いのですが、「アパートが老朽化したら節税効果が減るかもしれない」ということは、ぜひ覚えておいてください。

2.アパート経営は相続税以外の節税もできる

アパート経営の魅力は、相続税対策だけではありません。
アパート経営では、固定資産税・都市計画税、所得税・住民税の節税も可能です。

2-1.固定資産税・都市計画税

固定資産税と都市計画税は、毎年1月1日時点の所有者に対して課税される税金です。
固定資産税・都市計画税には、住宅の敷地を優遇する制度があります
そのため、更地にアパートを建てれば、その土地の固定資産税評価額は200平米まで6分の1、都市計画税評価額は3分の1になります。
固定資産税等は毎年課税され続けるため、アパート経営は、長い目で大きな節税効果を生んでくれます。

2-2.所得税・住民税

アパート経営は、給与所得などの他の所得に課税される「所得税・住民税」を減らせる場合があります
詳しく言うと、アパート経営が「課税計算上は赤字」という状態になれば、他の所得の課税を減らせます。

アパート経営では、「減価償却費」というものを経費として計上できます。
減価償却費は、建物の価値が毎年下がっていくという考え方で、建築費を毎年分割して経費に計上していく仕組みです。
家賃収入から管理費や修繕費などの経費を差し引き、さらに減価償却費を差し引くと、手元のキャッシュフロー上は利益が出ているけれども、課税計算上は赤字になることがあります。
この状態なら、資産を増やしながら、所得税・住民税を節税できます。

3.アパート経営の3つのリスク

ここまでお読みいただき、アパート経営にはバツグンの節税効果が期待できることがおわかりいただけたと思います。
ただ、アパート経営にはリスクがあるのも事実です。

アパート経営では、「空室と家賃下落リスク」「修繕費などの維持費」「災害リスク」の3つのリスクがありますが、大切なのは、過剰に恐れず、対策を知っておくことです。
それぞれ解説していきます。

3-1.空室リスクと家賃下落リスク

どんな一等地のアパートでも、常に稼働率100%とは限りません。
また新築時の家賃水準は地域の相場より高めで、築年数が経過すれば家賃はある程度下がるのが普通です。

そもそも、空室リスクと家賃下落リスクを最小限にするためには、競争力の高いアパートを建てることが大切です。
その上で、アパートの計画段階では、十分に空室率を見込んだ計画を立てておきます
そして、新築家賃よりも少し下がった無理のない家賃水準で、長期の収支計画を見込んでおくことが大切です。
あらかじめ計画に見込んでおけば、空室や家賃の変動を過剰に恐れる必要がなくなります。

3-2.修繕費などの維持費

アパート経営では、修繕費や管理費がかかります。
特に知っておきたいのは、10~15年ごとに発生する大規模修繕費についてです。
大規模修繕の内容は、外壁の塗装や屋上の防水工事、排水管のメンテナンス費用などです。
これらの計画的なメンテナンスを行わないと資産価値が落ち、空室が増えたり売却時に不利になります。

アパート経営では家賃収入だけを見る「表面利回り」ではなく、経費を指し引いた「実質利回り」を意識することが大切です。
アパートを建てる時点で、長期の修繕費についてもあらかじめ収支プランで見込んでおき、計画的に毎月の収入の一部を積み立ていくことをおすすめします。

3-3.災害リスク

地震などの災害によって建物が被害を受ける可能性は無視できません。
アパート経営では、火災保険に加入し、できるかぎり地震保険にも加入しておくことをおすすめします。
アパートを建てる際には、市区町村が作成しているハザードマップを見て、その場所の災害リスク(津波や土砂崩れなど)が大きいのかどうか確認することも大切です。

4.相続税対策でアパート経営を始めるときの3つの心得

アパート経営での節税効果やリスクをご紹介してきましたが、初めてアパート経営を始めようとしている方にとっては、具体的にはどうやって始めたら良いのか、わかりにくいと思います。

そこで、この章では、相続税対策でアパート経営を始める際の3つの心得と始め方の手順をお伝えします。

まず、3つの心得は次の通りです。

  • 早めに相続税対策を始めること
  • 収益性も妥協しないこと
  • 節税対策にも精通した建築会社に依頼すること

それぞれ詳しくみていきます。

4-1.早めに相続税対策を始めること

相続税対策は、できるだけ早めに始めることが大切です。
アパート経営開始3年以内に相続が発生してしまうと、節税効果が小さくなってしまう場合があります

その理由は、「小規模宅地等の特例」が改正されたためです。
「小規模宅地等の特例」は、アパート等の敷地の評価額を50%減額してくれる大きなメリットがある制度です(1章をご参照ください)。
ところが、アパート経営スタートから3年以内に相続が発生した場合はこの特例の適用が除外されるという改正がなされました。
ただし、「事業的規模」でアパート経営をしていた場合には、特例が適用されます(アパートなどを複数棟所有して不動産経営している場合)。

なお、「小規模宅地等の特例」が適用されない場合でも、「貸家建付地の評価減」などは受けられます。
そのため、アパート経営開始後すぐに万が一、相続が発生したとしても、一定の節税効果はあります。

4-2.収益性も妥協しないこと

アパート経営には、大きな節税効果があることは事実です。
とはいえ、「節税のために、なんでもよいからアパートを建てよう」と考えてしまうのはキケンです。
節税できても、アパート経営自体がうまくいかないと、逆に資産を減らしてしまうかもしれません
アパートを相続した子ども世代が、空室問題で悩んでしまうなんてことも避けたいですよね。

アパート経営を始めるとき、決して忘れてはいけないのは、安定して高収益が得られるアパートを建てるということです。

収益性が高いアパートを建てるためには、「入居者ニーズに応える投資」と「修繕費を考慮した投資」を意識してください。

入居者ニーズに応える投資」とは、入居者が求める間取りや設備、デザイン性などをしっかり研究して、必要な部分にはしっかり投資することです。
建築費を抑えることだけを優先すると、魅力のないアパートとなって、入居者が集まりません。
建築費の無駄をなくしつつ、メリハリをつけて投資することが大切です。

修繕費を考慮した投資」とは、アパートの価値を長期間維持するための修繕費も考慮して建てることです。
コストの安い建築資材を選ぶと、長持ちしなかったり、割高な修繕費が発生してしまう場合があります。
長期的な収支を考えて、修繕費を抑えられるように初期投資しておくことも検討してください。

4-3.相続税対策にも精通した建築会社に依頼すること

相続税対策のアパートを建てるときには、税金対策にも精通した建築会社に依頼することをおすすめします。
アパートを建築する前に、次のような点を税金の専門家に相談してみてください。

  • そもそも総資産額と法定相続人を考慮すると、どのくらいの節税が必要なのか。
  • 相続税対策の「要」となる借入額は、どれくらいがベストか。

建築会社によっては、提携税理士に節税対策についても合わせて相談できるケースもあります。
相続税対策の効果を最大にするように考えながら、収益性の高いアパートを計画してください。

4-4.「3つの心得」を踏まえた上でのアパート経営の始め方

ここまでの3つの心得をまとめると、「できるだけ早めに、相続税対策に精通した建築会社に依頼して、高収益なアパートを建てる」ということになります。
そこで問題になるのが、どこの建築会社に相談するのかということ。
アパート経営と相続税対策に精通していて、しかも良心的な建築会社を見つけるのは簡単ではありません。
特に初めてアパートを建てる方にとっては難しいことでしょう。

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「比較検討してみたら、魅力的なアパートを提案してくれる企業が見えてきた」とおっしゃるオーナーさんがほとんどです。
親身になって相談に乗ってくれる、力のある企業を選び、スムーズに相続税対策を開始していただきたいと思います。

まとめ

それではおさらいです。
相続税対策に抜群の効果を発揮するアパート経営。
土地・建物の相続税評価額をグンと下げることができ、相続税を大きく減らすことができます

しかも、アパート経営のすごいところは相続税だけではありません。
固定資産税・都市計画税、所得税・住民税まで節税できる可能性があります

そして、相続税対策でアパート経営を始めるときには次の3つの心得をぜひ心に留めておいてください。

  • 早めに相続税対策を始めること
  • 収益性も妥協しないこと
  • 節税対策にも精通した建築会社に依頼すること

アパート経営と相続税対策に精通している、良心的な建築会社を見つけるには、複数の企業の提案内容をじっくりと比較検討してみるのが近道です。
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本記事の掲載内容は、最終更新日時点での情報です。
制度や法律については、改正等で内容に変更がある場合もございます。

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