あなたがやりたいフルローン不動産投資って本当に大丈夫?

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あなたがやりたいフルローン不動産投資って本当に大丈夫?

不動産投資でローンを組むことは、大きな物件の購入が可能となったり、相続対策にもなったりするため、ローンを使うことに前向きな意味があります。

また、不動産投資は株式投資のように投資額がゼロとなってしまうようなリスクはないため、ローンを使っても安全な投資をすることが可能です。

投資物件を全額借入金で購入することをフルローン投資と呼びます。不動産投資はローンを使うことに前向きな意味はあるものの、フルローン投資となると危険が増します。

自分が住むために購入する新築マンションであればフルローンで購入できることはありますが、不動産投資の場合には、フルローン投資はリスクが高いため避けるべきです。住宅の購入と不動産投資では、ローンに対する考え方を分ける必要があります。

そこでこの記事では、フルローンを題材に、不動産投資について解説いたします。フルローンが不動産投資に与える影響やフルローンでも借りられない諸経費、フルローン投資を行っても良い人等について分かりやすく紹介します。

また、併せて自己資金を組み入れることのメリットについても解説します。この記事を読んでいただき、今後の不動産投資の参考にして頂けると幸いです。

1. フルローンとは

不動産投資におけるフルローンとは、自己資金を使わずに全額借入金によって物件を購入する場合におけるローンのことです。

物件を購入するための資金には2種類あります。一つは、自分のお金から出す資金を自己資金と、もう一つは銀行等の他人から借りる借入金です。

フルローン投資とは、借入金100%で物件を購入することを指します。借入金と自己資金の大きな違いは、返済の義務があるかどうかという点です。

借入金は毎月返済額が発生するため、借入金が多いと手元に残るお金が減ります。一方で、自己資金は返済が発生しないため、自己資金が多いと手元に残るお金が増えます。

フルローンは、借入金の返済が最大となるため、手元に残るお金が一番小さくなり、最も儲からない投資方法です。

それに対して、自己資金100%で投資をした場合、手元に残るお金は一番大きくなり最も儲かる投資方法となります。

資金調達割合投資物件を購入するにあたり、借入金と自己資金の割合を資金調達割合と呼びます

例えば、5,000万円の物件に投資する場合、借入金3,000万円と自己資金2,000万円で投資をした場合、借入金割合は60%、自己資金割合は40%と表現します。

フルローン投資とは、借入金割合100%、自己資金割合は0%という状態を指します。借入金割合と自己資金割合をどのようにするかは、投資家の重要な判断事項となります。

同じ物件に投資するのであっても、Aさんは借入金割合100%、Bさんは借入金割合50%、自己資金割合50%で投資をした場合、Bさんの方が手残りは多くなります。

不動産投資で儲かるか儲からないかは、物件選びだけではなく、資金調達割合でも異なるということを知ることが重要です。

フルローン投資をするということは、自ら一番儲からない投資方法を選択することになるため、本当にフルローン投資の選択で良いのかを考える必要があります。

不動産投資では、ローンの影響を十分に理解した上で借りるようにしましょう。

2. 不動産投資から見たフルローン

この章ではフルローンが不動産投資に具体的にどのような影響を与えるのかについて解説します。

2-1. キャッシュフローを悪化させるデメリットがある

キャッシュフローを悪化させるデメリット不動産投資で最終的に得られる手残りのお金のことを、キャッシュフローと呼びます。

キャッシュフローは利益のことではありません。キャッシュフローは、実際に手元に残るお金のことですので、投資家にとって一番重要です。

不動産の収益性を表す指標にNOI利回りというものがあります。NOIとは、Net Operating Incomeの略で、日本語では純収益と略されています。NOIと物件価格で割ったものをNOI利回りと呼びます

NOIは、賃料収入から固定資産税や建物保険料、修繕費、管理委託料等の支出を差し引いたものになります。NOIを計算する上では、借入金は支出としては見込んでいないという点がポイントです。

NOIに借入金の支出が含まれない理由としては、借入金の支出は物件そのものの稼ぐ力とは関係ないためです。例えば、NOIが3%の物件Aと、NOIが6%の物件Bがあったとします。物件Bの方がリスクはあるかもしれませんが、収益性は高いと判断することができます。

但し、物件Bをどのような資金調達割合で購入するかは、投資家次第です。投資家Cは自己資金100%で購入し、投資家Dは借入金100%で購入する場合もあり得ます。同じNOI利回りが6%の物件Bを、どのような資金調達割合で購入するかは投資家によって異なります。

この場合、同じ物件でも投資家Cの方がキャッシュフローは良くなります。投資家Dのキャッシュフローが悪くなる原因は、物件Bにあるのではなく、資金調達割合の選択にあります。

資金調達割合は不動産のNOI利回りを変化させるものではありません。投資家の手物に残るキャッシュフローを変化させます。

せっかく良い物件に巡り合えたとしても、フルローンで投資をすれば、キャッシュフローは最大限に悪化するということを理解しておきましょう。

2-2. 不動産所得とキャッシュフロー

不動産投資では会計上の利益(不動産所得)とキャッシュフローが異なるということを理解する必要があります。この章では不動産所得とキャッシュフローについて解説します。

2-2-1. 不動産所得の計算方法

個人の所得には、給与所得の他、不動産所得や譲渡所得、事業所得、山林所得、退職所得、利子所得、配当所得、一時所得、雑所得と言った10種類があります。

このうち、不動産投資で得られる所得のことを不動産所得と呼びます。不動産所得が発生すれば、そこに所得税及び住民税が発生します。

所得税は累進課税制度ですので、所得税率は他の所得と合算されることで決まります。住民税率は一律10%です。不動産所得は以下の計算式で計算されるものであり、会計上の利益を表したものになります。

不動産所得の計算式
不動産所得 = 収入金額 - 必要諸経費

収入金額とは、年間の家賃収入のことを指します。礼金収入や自動販売機設置料、看板設置料等の他の収入があれば収入金額に含みます。

必要諸経費については、以下の項目が該当します。

  • 固定資産税および都市計画税
  • 建物の損害保険料
  • 修繕費
  • 管理委託料
  • 水道光熱費
  • 仲介手数料
  • 広告宣伝費
  • 青色事業専従者給与
  • 給料賃金
  • 通信費
  • 接待交際費
  • 新聞図書費
  • 交通費
  • 消耗品費
  • 地代・家賃
  • 解体費・立退料
  • ローン保証料
  • 借入金利子
  • 減価償却費

必要諸経費にはポイントが2つあります。

1つ目は、借入金の利子は必要諸経費となりますが、借入金の元本返済に関しては必要経費とならないという点です。

お金の貸し借りについては、売上にも費用にもならないというのが原則です。お金を借りても売上とはならないため、税金は発生しません。同様にお金を返しても費用とはならないため、節税はできないのです。

2つ目のポイントは、減価償却費です。減価償却費とは、建物の取得価格を建物の耐用年数の期間にわたり、規則的に配分される費用のことを言います。耐用年数とは、法的に一律に定められた資産が使用に耐えうる年数のことです。

例えば、取得価格が1,000万円の資産で、耐用年数が10年のものであれば、毎年100万円(=1,000万円÷10年)ずつ不動産所得を計算する上での費用となります。

建物は、あくまでも取得した初年度に大きな支出が発生します。但し、初年度の大きな投資額が全額費用となるわけではありません。

建物の取得価格が2年目以降に分散されて、ちょっとずつ費用として計上されるのが減価償却費です。減価償却費は、あくまでも会計上のルールに基づき機械的に計算される費用であるため、実際に支出されるお金ではありません。

ただ、実際には支出はされませんが、費用となるためその分不動産所得が小さくなり、税金を抑えることができます。つまり減価償却費には節税効果があります

このように、不動産所得では、実際に支出される借入金の元本返済が費用とはならず、実際に支出されない減価償却費が費用となります。つまり、実際の手残りを表すキャッシュフローと不動産所得は異なるということです。

不動産投資で不動産所得とキャッシュフローが異なる理由としては、「借入金の元本返済」と「減価償却費」の2つがあるためという理解をしておきましょう。

2-2-2. 減価償却費の計算方法

減価償却費は、実際に支出されるお金ではないため、決まった計算方法に基づき求めます。

まず、減価償却費は、建物のみに発生し、土地は減価償却されないという点がポイントです。減価償却とは、毎年費用計上した分を、資産価格から目減りさせていく手続きを言います。

例えば、取得価格が1,000万円の資産で、耐用年数が10年のものであれば、毎年100万円ずつ費用計上されますが、建物の簿価は毎年100万円ずつ減額され、最終的には1円となります。

会計上、建物は築年数が経過すると、価値が落ちると考えます。そのため、減価償却という手続きにより建物の簿価を落としていきます。

一方で、会計上、土地は年数が経っても、価値は変わらないものと考えます。そのため、土地には減価償却という手続きは行われません。

減価償却費を計算する上では、建物の取得価格を把握します。減価償却費は以下の計算式で計算されます。

減価償却費 = 建物の取得価格 × 償却率

償却率は、建物の耐用年数によって決まります。建物の耐用年数は、建物の躯体の構造部材で決まり、耐用年数と償却率の関係は以下のようになります。

構造部材 法定耐用年数 償却率
木造 22年 0.046
重量鉄骨造 34年 0.030
鉄筋コンクリート造 47年 0.022

例えば建物の取得価格が3,000万円の木造アパートの場合、毎年の減価償却費は以下のように計算されます。

減価償却費 = 建物の取得価格 × 償却率
= 3,000万円 × 0.046
= 138万円

減価償却費は耐用年数期間内において計上されます。耐用年数が満了し、建物の簿価が1円まで下がった以降は、減価償却費は費用として計上されないことになります。

減価償却費は実際には支出されない費用ですが、税金を圧縮してくれるため、キャッシュフローに対してはプラスの影響を与えてくれます。

減価償却費があることで、不動産所得は小さくなりますが、キャッシュフローは大きくなるという関係にあります。

2-2-3. キャッシュフローの計算方法

キャッシュフローは実際の手残りのお金ですので、「借入金の元本返済」と「減価償却費」、「税金」の3つの要素が影響を与えます。

話を単純化するために、最初に自己資金100%、借入金0%で投資をする場合のキャッシュフローを考えます。

不動産所得からは税金が差し引かれます。但し、実際には減価償却費は支出されずに残っているお金なので減価償却費は加算されます。自己資金100%の場合は、借入金の元本返済が発生しません。

よって、借入金の元本返済がない場合のキャッシュフローは以下式で表現されます。

借入金の元本返済がない場合のキャッシュフロー
キャッシュフロー = 不動産所得 - 税金 + 減価償却費

不動産投資で得られるキャッシュフローは上式で計算される金額が最大値となります。

次に、借入金の元本返済がある場合を考えます。借入金の元本返済は、不動産所得や税金には全く影響を与えないため、上式のキャッシュフローから単純にマイナスされます。

よって、借入金の元本返済がある場合のキャッシュフローは以下式で表現されます。

借入金の元本返済がある場合のキャッシュフロー
キャッシュフロー = 不動産所得 - 税金 + 減価償却費 - 借入金の元本返済

少し複雑な式となりますが、ポイントは借入金の元本返済は、キャッシュフローを小さくするということです。

借入金の元本返済額は、ローンの額によって決まります。1,000万円を20年ローンで借りている人は、毎年の返済額が約50万円となりますが、5,000万円を20年ローンで借りている人であれば、毎年の返済額が約250万円となります。

フルローンで借りるということは、最大限にお金を借りているということです。毎年の返済額が最も大きくなる借り方をしているため、キャッシュフローは最も小さくなる投資方法ということになります。

さらに、耐用年数を過ぎると減価償却費は計上されなくなります。例えば木造アパートを新築から持っている場合、築23年目以降は減価償却費が計上されません。

耐用年数が過ぎた場合のキャッシュフローは以下のように計算されます。

耐用年数を過ぎた場合のキャッシュフロー
キャッシュフロー  = 不動産所得 - 税金 - 借入金の元本返済

耐用年数を過ぎてしまうと、減価償却費がなくなるため、キャッシュフローは一気に悪化します。

耐用年数を過るとキャッシュフローは悪化減価償却費がなくなることで節税効果もなくなるため、税金も増えます。キャッシュフローからマイナスされる税金が増え、プラスされる減価償却費がなくなります。

耐用年数が過ぎた時点でも借入金の元本返済を続けていると、アパート経営がとても苦しくなるのです。

このように、不動産所得とキャッシュフローは異なります。借入金の返済額が大きい場合、不動産所得がプラスなのにキャッシュフローがマイナスとなるようなこともあり得ます。

多少の空室が発生しても、不動産所得は急にマイナスにはなりません。しかしながら、不動産所得が薄利になると、借入金の元本返済を控除した後のキャッシュフローがマイナスとなることはあるのです。

借入金額の大きいフルローン投資では、キャッシュフローがマイナスとなるリスクも把握しておきましょう

3. 適正なローンの借入額

ローンは物件価格の50%程度で抑えておくことが理想的です。プロの機関投資家でも、借入金と自己資金の割合は7対3を目安としています。

機関投資家でも借入金は70%で抑えようとしているため、個人投資家であればさらに借入金割合を抑えるべきです。

機関投資家は物件の検討数も多く、経験値も高いため、相当に厳選した良い物件を購入しています。それでもフルローン投資は行いません。

個人投資は、物件選びの経験値も浅いため、機関投資家よりも劣る物件を購入するリスクが相対的に高いです。

物件選定のリスクを加味すれば、借入金は70%よりも安全を見て、50%程度まで抑えておくことが望ましいでしょう。

4. フルローンでも借りられない諸経費とは

不動産投資では、原則として投資時に発生する以下のような諸経費はローンの対象とはなりません。

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 不動産取得税
  • 司法書士手数料
  • 融資保証料
  • 融資事務手数料
  • 火災保険料・地震保険料
  • 固定資産税清算金

諸経費は、物件価格の5~10%程度で発生することがあります。仮にフルローンで借りることができたとしても、不動産投資は自己資金をゼロ円にはできません。

フルローンと言っても、全額借入をできるのは、あくまでも物件価格のみであることを理解しておきましょう。

5. フルローンで投資をしても良い人

フルローンで投資をしても良い人フルローン投資は非常にリスクも高いですが、条件によってはフルローン投資を行っても構わない人もいます。

それは、土地持ちの人がアパートを建築する場合です。

不動産は土地と建物で構成されているため、区分のワンルームマンションに投資するような場合でも、土地の所有権を購入しています。

土地を持っていない人が収益物件に投資をする場合、土地と建物の両方を購入していることになります。

一方で、元々土地を持っている人の場合には、土地代がタダです。土地の上にフルローンを組んでアパートを建築したとしても、土地の部分が自己資本金のような役割を果たしてくれます。

例えば、元々持っている土地の価格が2,000万円の場合、4,000万円のアパートをフルローンで建築すると、総額では6,000万円の物件になります。

6,000万円の物件を4,000万円の借入で作っているため、建物がフルローンであったとしても、借入金割合は約67%とみなせます。物件全体としてはフルローンではないのです。

また元々土地を持っているような人であれば、資産家の確率も高いです。資産家の方は、相続対策も必要となります。借入金は、マイナスの資産となるため、被相続人の資産の額を減らしてくれる効果があります。

被相続人の資産の額が減れば、相続税額も減るため、節税対策にもなるのです。相続対策を必要とする資産家の方は、借入金には相続税を減らすという積極的な意味合いがあり、フルローンを組んで不動産投資を行う意義があるのです。

6. 求められるようになった頭金

求められるようになった頭金実際、数年前まではフルローンの不動産投資も行いやすかったのですが、最近ではフルローン投資がかなり難しくなってきました。

その背景としては、日銀や金融庁がアパートの供給過剰でアパートローンの監視強化をし始めたことが理由にあります。

2015年1月から相続税法が改正されたことに話は遡ります。相続税法の改正により、相続税の納税義務者が増えたため、2015年前後にはアパートを建築するような人が一気に増えた時期がありました。

当時は、金利もとても安く、土地持ちの人なら簡単にフルローンも組めました。しかしながら、2018年あたりから、日銀と金融庁の監視強化により、徐々にアパートローンの融資条件が厳しくなり、今に至っています。

金利は若干上がり、頭金も求められるようになっています。土地持ちのようなフルローンでも構わないような人でさえ、頭金が求められる時代です。

また、頭金以外にも不動産投資の経験なども求められるようになっています。経験もなく、頭金もないような人であれば、ますますローンを組むのは難しい状況です。

経験のない人であれば、頭金を十分に用意して、銀行を納得させ得る準備をすることが必要となります。フルローン投資は難しくなってきていますので、自己資金はしっかりと準備をした上で投資をするようにして下さい。

7. 自己資金を入れるメリット

フルローン投資はリスクが高く、投資方法としても一番儲からないため、お勧めできません。不動産投資を行うのであれば、必ず自己資金を用意すべきです。

そこでこの章では自己資金を入れるメリットについて解説します。

7-1. キャッシュフローが良くなる

借入金は、キャッシュフローを悪化させる原因となりました。自己資金はその逆で、キャッシュフローを良くする働きをしてくれます。

ここで、再度、借入金の元本返済がない場合のキャッシュフロー計算式を示します。

借入金の元本返済がない場合のキャッシュフロー
キャッシュフロー = 不動産所得 - 税金 + 減価償却費

この式は自己資金が100%のときのキャッシュフローであり、不動産投資で得られるキャッシュフローの最大値を意味しています。

キャッシュフローを最大値に近づけるためには、自己資金を増やし、借入金を減らすしか方法がありません。

借入金の元本返済が少ないと、多少の空室が発生してもキャッシュフローがプラスに維持できます。慌てて空室対策をする必要もなく、余裕を持ったアパート経営が可能となるのです。

7-2. 次の物件でローンが組みやすくなる

不動産投資を始めると、2棟目、3棟目と徐々に物件を増やしていきたいと思う方が多いです。不動産投資は資産が大きくならないと収入が増えないため、1棟目で成功すると、かなりの人が資産を増やしたがります。

しかしながら、1棟目から多額のローンで組んだ場合、落とし穴があります。

銀行は、本人の資産状況を見て、借入額が大きくなり過ぎると融資をストップします。借入金の返済が進んでいないまま、2棟目もローンを組み、3棟目も購入しようとすると、それ以上融資をしてくれないということが起こります。

銀行によっては、アパートローンなどは、借入可能額を本人の年収の10~30倍までと定めています。借入残高が積み上がり、借入可能額を超えてしまっているような間合いには、それ以上の借入を行うことができません。

資産を増やしていきたいという意向がある場合、借入金は少なく抑える必要があります。

銀行は融資を受ける本人の資産状況も加味します。借入を繰り返すと、負債が増えるため、資産状況はどんどん悪化していきます。

フルローンで負債が大きくなると、次の資産を購入したいと思っても、借入金の返済が進んでいなければ、新たな借り入れをすることができません。

借入金の返済にはとても時間がかかります。フルローン投資を行うと、結局は、資産を増やしていくのに、とても時間がかかることになります。

フルローン投資は長期的にも上手く行きませんので、自己資金をしっかりと用意してから投資を行うようにして下さい。

7-3. レバレッジ効果が得られる

不動産投資では、借入金を使うことでレバレッジ効果が得られます。レバレッジとは、「てこ」という意味です。てこの原理を利用して、小さな自己資金で、より多くの利益を得るというのがレバレッジ効果になります。

レバレッジ効果は、自己資金に対する利回りを、借入金を使って向上させるために行います。あくまでも着想は「自己資金ありき」であり、フルローンとは全く異なります。

レバレッシ効果の具体例

自己資金3,000万円持っていることを前提に具体的なレバレッジ効果をご紹介します。

ケース1  全額自己資金で投資した場合
全額自己資金だけで、3,000万円でNOI利回り5%の不動産に投資をします。得られるNOIは年間で150万円(= 3,000万円 × 5%)となります。
ケース2  借入金を用いて投資した場合
自己資金3,000万円と借入金7,000万円を使い、1憶円でNOI利回り5%の不動産に投資をします。得られるNOIは年間で500万円(= 1憶円 × 5%)となります。

ここで7,000万円は2.0%の固定金利で35年間借りるとします。元利均等返済(元本返済額と利息の合計が毎月一定額になる返済方法)で返済する場合、返済金額は年間約278万円となります。

年間NOI500万円から年間返済額278万円を差し引くと、約222万円が残ります。1億円のアパートでNOI利回り5%の場合、NOIは年間で500万円です。

さらに、ここから借入金の返済額約278万円を差し引くと、約222万円が残ります。約222万円は自己資金3,000万円に対しては約7.4%の利回りとなります

ケース1では自己資金に対する利回りは5%でしたが、ケース2では約7.4%となりました。借入金によって自己資金の利回りが上がる効果をレバレッジ効果と呼びます


機関投資家は、レバレッジ効果を利用するためにわざと借入金を利用しています。決してお金がないため借入金を利用しているのではありません。

お金のある人が、よりたくさん儲けるために借入金を使うのが不動産投資のセオリーです。お金がないからフルローンでの投資を行うというスタンスは、そもそも不動産投資のセオリーから外れます

借入は、持っている自己資金を有効に活用するために使うものであると理解しましょう。

7-4. 売却しやすくなる

借入金額が大きいと、借入の返済がなかなか進まないため、投資物件を売却しようとしたときに、ローン残高が売却額よりも大きい場合があります。このようなケースをオーバーローンと呼びます。

オーバーローンの場合、売却後に残った残債は、自力で返済しなければなりません。返済できるお金がない場合、売却ができないということになります。

フルローン投資をする場合、キャッシュフローがマイナスで、かつオーバーローンとなってしまう場合があります。物件を手放したくても、オーバーローンのため、物件も手放すことができず、最悪の場合、自己破産をするようなケースがあります。

一方で、自己資金が十分にある場合、物件価格が下がってもオーバーローンとなるリスクが小さくなります。仮に、不動産を売却するようなケースになったとしても、売却しやすいのは自己資金をしっかりと投入した場合の不動産投資になります。

不動産投資に限らず、投資では、状況が悪くなった場合、機敏に撤退するのは投資の鉄則です。すぐに撤退できないと、傷が深くなります。フルローン投資は、後々、自ら撤退しにくい状況を作り出してしまうため、とてもリスクが高いのです。

いざと言うときに逃げられるようにするためにも、自己資金はしっかりと準備するようにして下さい。

まとめ

いかがでしたか?
フルローン投資について見てきました。

フルローン投資は、キャッシュフローを最も小さくさせてしまう投資方法です。借入金はキャッシュフローを悪化させるデメリットがあることを、しっかりと把握した上でローンを組む必要があります。

借入金割合は、個人投資家の場合には50%程度で抑えておくことが理想的です。

また諸経費については、そもそもローンを組むことができませんので、一定の自己資金は必ず必要となります。

土地持ちの人に関しては、フルローンを組んでもリスクは低いです。但し、最近は銀行の融資姿勢が厳しくなってきたため、頭金が求められるようになってきました。

自己資金には、キャッシュフローを改善したり、売却しやすくするメリットがあります。フルローンではなく、ぜひ自己資金を用意して不動産投資をするようにして下さい。

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