教科書には載ってないアパートの立ち退き料と交渉術のすべて

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教科書には載ってないアパートの立ち退き料と交渉術のすべて

老朽化したアパートで問題となってくるのは入居者の立ち退きです。 「建て替えたい」もしくは「更地にして高く売りたい」と思っていたとしても、入居者を立退かせない限り、解体に着手することができません。

また、老朽化アパートではなくても、悪質入居者を退去させるときにも立ち退きを行う場合があります。

立ち退きはアパートオーナーが自ら行わなければならない仕事です。

アパートオーナーは入居者集めに関しては知識を持っている人も多いですが、入居者を退去させる知識を持っている人は、そう多くはありません。

立ち退きに関しては、入居者と賃貸人との間で裁判になることも多いため、立ち退きを着手する前には必ず法的な知識を一通り習得しておくことが必要です。

法律知識と言うと少しハードルが高く感じますが、噛み砕いた実践的な知識を紹介したいと思います。

ぜひ最後までお読みいただき、立ち退きに役立てて頂けると幸いです。

1. 立ち退きとは

1-1.立ち退きに関する法律と背景

立ち退きに関する法律と背景賃貸借における借主(入居者)と貸主(アパートオーナー)の権利や義務に関する規定は、借地借家法によって定められています。

借地借家法の立法趣旨は「借家人保護」であり、借主を保護するための法律です。

借地借家法では、借主の権利が強く守られているため、貸主であるアパートオーナーから一方的に解約することができません。

借主を退去させるには、正当事由と呼ばれるきちんとした理由や、立ち退き料と呼ばれるお金が必要となります。 一般的な契約の解約とは異なるため、このような一連の解約の手続きを「立ち退き」と呼んでいます。

借地借家法(旧借地法・旧借家法)は、元々は借主をここまで守ってはいませんでしたが、戦時中に借主の権利が強化されたという歴史があります。

借主の立場が不安定だと、安心して戦地に赴くことができないため、戦地から帰ってきてもきちんと家に戻れるようにするべく、借主の立場を強化したというのが経緯です。 「銃後の生活を守る」代わりに戦地へ行かせたという背景があるようです。

第二次世界大戦後、様々な法律が改正されましたが、この借地借家法に関しては、非常に民主的な法律であるとして、そのまま残りました。 本来弱い立場である借主の権利を強固に守っているという点が、民主的であると評価された点です。

借地借家法は、このような歴史的背景のある法律であるため、現代のアパートオーナーからすると、違和感を覚える法律とも言えます。

本来、貸主が自分のものを返してもらうのに、お金を払うということはありません。

しかしながら、アパートの様な賃貸借物件に関しては、アパートオーナーが部屋を返してもらうのに、借りている人に対して立ち退き料という金銭を払う必要があるのです。

立ち退き料は、およそ50~80万円の「引越代プラスアルファ」程度になります。

アパートの立ち退き料は、法外な金額とはならないということを、認識しておきましょう。

1-2.立ち退きは必ずアパートオーナー自身が行う

立ち退きに関しては、アパートオーナーが必ず自分で行う必要があります。

立ち退きは交渉ごとであるため、自分ではやりたくないと思われるかもしれませんが、法的に弁護士以外の第三者に任せることができません。

ここで登場するのが弁護士法です。 弁護士法とは、日本における弁護士制度を定めている法律になります。

弁護士法第72条では、以下のように定められています。

弁護士法第72条

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

少し分かりにくいですが、この条文によって、「弁護士以外の第三者が報酬目的で立ち退きのような紛争性の高い法律行為の代理人をしてはならない」と解釈されています。

弁護士以外の第三者が代理人となって法律行為を行うことを「非弁行為」と呼んでいます。

昭和の時代には、立ち退きをオーナーの代わりに代行して行う「立ち退き屋」と呼ばれる人たちが存在しました。 ずいぶんと手荒い手法で強引に立ち退きを行っていたようです。 立ち退き屋は非弁行為に該当するため、違法です。

弁護士法で規定している「弁護士又は弁護士法人でない者」とは、立ち退き屋だけを指しているわけではありません。

例えば管理会社なども「弁護士又は弁護士法人でない者」に該当しますので、管理会社に立ち退きを依頼するのもNGです。

最も、まともな管理会社であれば非弁行為のことを知っていますので、仮にアパートオーナーが立ち退きを依頼したとしても、「非弁行為のためできません」と回答してくるのが通常です。

弁護士法第72条もし、立ち退きを第三者に依頼したいということであれば、弁護士なら依頼することが可能です。

但し、弁護士に依頼すれば、別途、弁護士報酬が発生します。

また、弁護士に依頼しても、機械的に処理される傾向があります。 入居者と強気な交渉をして、立ち退き料を安くしてくれるかというと、それは一般的には期待できません。

このようなことから、コスト的にはアパートオーナーが自ら行うことが最も安くなります。

また、入居者も第三者の話には聞く耳を持たなくても、アパートオーナーが自ら申し出してきたことに関しては聞く耳を持ってくれるケースが多いです。

入居者も感情を持った一人の人間です。 アパートオーナー自らが誠心誠意をもって接することで、話がうまくまとまる確率がグンと上がります。

そのため、立ち退きはアパートオーナー自らが、きちんと行うということを肝に銘じておきましょう。

2.契約の種類と立ち退き

賃貸借契約には、

  • 普通借家契約
  • 定期借家契約

の2種類があります。 両者の違いは更新があるかどうかの違いです。

賃貸借契約書の中で、更新に関する規定がある場合には、それは全て普通借家契約になります。

普通借家契約とは、契約期間が満了しても、入居者(借主)が更新をしたいと申し出れば、更新ができる契約です。 アパートオーナー(賃貸人)が更新を拒絶したい場合には、立ち退きを行います。

定期借家契約とは、期間の満了に伴い、必ず賃貸借契約が終了する契約になります。 定期借家契約では、立ち退きが問題にならないということになります。

一般的に、古いアパートの賃貸借契約は、ほとんどが普通借家契約で締結されています。 今まで入居者が何度も更新しているようなアパートは、普通借家契約で締結されていますので、立ち退きが必要になります。

立ち退きを行う前に、念のため普通借家契約であるかどうかを、賃貸借契約書を見て確認しておきましょう。

3.正当事由がないと立ち退きをすることができない

借地借家法では、入居者の立ち退きにはきちんとした理由が必要であることを定めています。 このきちんとした理由のことを「正当事由」と呼んでいます。

正当事由について定めている条文は借地借家法第28条になります。

借地借家法第28条

(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
第28条 建物の賃貸人による第26条第1項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。

少々長い条文ですが、この条文は正当事由が無ければ立ち退きをすることはできないということを定めています。

条文の中では正当事由の判断基準として「建物の現況」を挙げています。 建物の現況とは、現在の建物自体の物理的状況を指し、建物の建て替えが必要となっているかどうかを指します。

建物が老朽化している場合のみならず、建物が社会的・経済的効用を失っている場合を含みます。

そのため、正当事由として、建物の朽廃が切迫しているような場合には、更新拒絶または解約の申入れをすることができます。

また条文の中で「財産上の給付」という言葉が出てきます。 これは立ち退き料を表します。

借地借家法第28条では、正当事由に加えて立ち退き料を支払う申出を行えば立ち退きを行うことができると規定しています。

つまり正当事由があるだけでは立ち退きを行うことはできず、それに加えて立ち退き料を支払うことで、初めて立ち退きが認められるということになります。

概念上、立ち退き料は正当事由を補完するものと言われています。 まずは、立ち退きに必要なきちんとした理由があり、それに加えて立ち退き料を支払うことで、初めてそれが正当事由として認められるということになります。

いずれにしても、普通借家契約で入居者を立退かせるためには、立ち退き料は必要と言うことです。

尚、賃貸借契約書上において、入居者(借主)に借地借家法第28条よりも不利な特約を締結している場合には、その条文は無効となります。

例えば、賃貸借契約書上で、「半年前から賃貸人が解約の申出を行えば解約できる」といった旨の規定は無効です。 このような規定があっても正当事由と立ち退き料が無ければ解約することはできません。

契約書上、簡単に解約できるような条文は無効であり、立ち退きに関しては、借地借家法第28条のルールに従うものとなります。

4.立ち退き料

立ち退き料は入居者との交渉によって決まるため、結論としては「いくら」という正解はありません

但し、立ち退き料について、一定の考え方というものは存在しています。

立ち退き料の基本的な考え方としては、「今の家賃と移転先の家賃の差額の1~1.5年分程度」が立ち退き料に相当すると考えられています。 住居の立ち退き料では、営業補償は発生しません。

例えば、今の家賃が月6万円で、移転先の家賃が月8万円だとしたら、差額の2万円分を1~1.5年分補償するという考え方です。 この場合、2万円を12ヶ月~18ヶ月補償すると考えると、24万円~36万円が適正な立ち退き料ということになります。

しかしながら、実際には移転先の家賃が今の家賃よりも高いとは限りません。 この立ち退き料の考え方は家賃が右肩上がりを前提とした高度経済成長時代に確立されたものであるため、実態には即していないというのが実情です。

そこで、アパートの立ち退き料としては、あまり理屈にこだわることなく、「引越代プラスアルファ」を補償するのが一般的です。

金額としては、1戸あたり50~80万円程度です。 少し、他の条件も付加されたりすると、100万円弱になることはあります。

ただ、アパートの立ち退き料で100万円を超すような場合は、少し高過ぎるという感覚はあります。

通常、50~80万円で納得してくれる方が多いです。 尚、このように立ち退きには立ち退き料が必要となってくるため、なるべく立ち退きを要する戸数が少なくなった段階で着手するのがセオリーです。

例えば、10戸のアパートであれば、8戸が自然に抜け、残り1~2戸がなかなか退去しないような状況になったら開始するというようなイメージになります。

10戸中、5戸が残っているような状況で立ち退きを始めると、多額の立ち退き料の負担を強いられることになります。

建て替えにあたっては、極力、自然退去を優先し、あとわずかの段階になったら立ち退きを検討することをおススメします。

5.立ち退きの2つの方法

立ち退きの2つの方法立ち退きを行う方法については、

  • 更新拒絶または解約の申入れによる方法
  • 定期借家に切替える方法

の2種類があります。 それぞれについて解説します。

5-1.更新拒絶または解約の申入れによる方法

更新拒絶または解約の申入れによる方法とは、書面にてストレートに立ち退きを申し入れる方法です。

書面にて更新拒絶または解約の申入れを行い、最終的には立退料を支払って退去させる最も基本的な方法となります。

更新時期が近ければ更新拒絶による方法を選択し、更新時期から遠く中途解約条項がある場合には、解約の申入れによる方法を選択します。

書面による申し入れをした後は、個別に話し合いを行い、立ち退き時期や立ち退き料の金額を取決め、立ち退きの合意を図ります。

5-1-1.更新拒絶または解約の申入れのメリットのデメリット

この方法のメリットとしては、以下の2点が挙げられます。

メリット

  1. 早期解決できる可能性がある。
  2. 立ち退き料を少なくすることもできる。

更新拒絶または解約の申入れによる立ち退きは、あくまでもアパートオーナーと入居者の話し合いで物事を決めていきます。

そのため、すぐに借主が納得して合意を取れる場合もあり、早期解決が図れる場合もあるというメリットがあります。

また、借主の中には、長年大家さんにお世話になったという思いから、すんなりと応諾する人や、たまたま退去しようと思っていた人も少なくなく、ほとんど立ち退き料を支払わずに立ち退きに合意をしてくれる人もいます。

古いアパートに住んでいる人は、高齢者の方も多く、いくばくかの立ち退き料を支払い、誠意をもって接すると、すんなりと話を聞き入れてくれる人も多いです。

そのため、話し合いが上手くいくケースは多く、想像以上に立ち退き料が発生しなかったということも良くあります。

結果的に立ち退き料が安くなるケースもあるという点もメリットになります。

一方で、デメリットとしては以下の2点があります。

デメリット

  1. 正当事由と立ち退き料が必要となる。
  2. 立ち退き料とスケジュールが読めない。

更新拒絶または解約の申入れによる立ち退きでは、申入れにあたり、正当事由が必要となります。

また正当事由を補完するための立ち退き料も必要です。

更新拒絶または解約の申入れによる立ち退きは、全て話し合いで決めますが、話し合いが上手くいかないことも当然にあり得ます。

つまり揉めてしまえば、立ち退き料も高額となる可能性もあり、いつまでも入居者が退去せず、スケジュールが確定しないというデメリットがあります。

この方法は、あくまでも全てが話し合いであることから、蓋を開けてみないとどうなるか分かりません。

上手くいくときは、すんなりと話がまとまりますが、上手くいかないと立ち退き料も高額となり、立ち退きまで長期化してしまうこともあります。

更新拒絶または解約の申入れによる立ち退きは、メリットもデメリットも相応にあるということになります。

5-1-2.十分な話し合いが最大のポイント

更新拒絶または解約の申入れによる立ち退きは、入居者と誠意をもって話し合いを行うことが重要です。

アパートの立ち退きは店舗の立ち退きとは異なるため、法外な立ち退き料を要求されることは基本的にありません。

そのため、基本的にはアパートの立ち退きであれば、更新拒絶または解約の申入れによる方法を取ることをおススメします。

入居者も不用意にアパートオーナーと揉めたいと思っている人はいません。 誠意をもって接すれば、理解が得られるケースがほとんどです。

但し、最初からケンカ腰の対応や、一方的な通達等、相手を怒らせてしまう対応してしまうと、そこからボタンの掛け違いが生じ、話がこじれてしまいます

書面による通達も、必ず訪問して相手に手渡しするようにして下さい。 事前に「ちょっとご相談したいことがあります」といってアポイントを取って行くのが良いでしょう。

立ち退きの話はサラっと終わらせ、相手の身の上話など、とにかく相手の話を真剣に聞いてあげるという対応が望ましいです。 最初、強硬な態度を取る人でも、何回か通うことで融和的になる人もいます。

立ち退きの成否は、理屈ではありません。 上手くいくかどうかは、アパートオーナーの人間的な誠意、真摯な対応にかかっています。 きちんと向き合って、入居者のハートをがっちりと抑えるようにして下さい。

5-1-3.立ち退き料を支払う

更新拒絶または解約の申入れによる方法では、立ち退き料を支払います。 くれぐれも立ち退き料を「一円も払わない」という思いでは行わないでください。

「立ち退き料は多くは払えませんが、ご迷惑かけるので引越代程度は考えています。」と伝えることで、相手にも誠意が伝わります。

また、古いアパートであればアパートオーナーはそんなに高い賃料をもらっていないことは相手も分かっています。

法外な要求をされたときは、「さすがにそれは無理です」ときっぱりと答えるようにして下さい。

また、管理会社にも協力してもらい周辺の同水準の家賃の募集物件を集め、物件紹介も同時に行うことがポイントです。

入居者に「ここ以外住む場所がない」とか、「他の物件は高いから引越せない」等々の主張をさせないためにも、現実に募集されている物件を提示することが重要です。

今の物件よりも家賃が安く、なおかつ、駅に近い、築年数が新しいといった物件を提示できると、入居者が退去を拒む言い訳を減らすことができます。

ある程度の立ち退き料の提示と代替物件の提示を行い、誠意を伝えるようにして下さい。

5-2.定期借家に切替える方法

立ち退きでは、今の普通借家契約を定期借家契約に切替えるという方法もあります。

住宅の場合、2000年(平成12年)3月1日より後に契約されている普通借家契約であれば、定期借家契約に切替えることができます。

定期借家への切替えは、今の契約を合意解除して、新たな定期借家契約を締結します。

5-2-1.定期借家切替のメリットとデメリット

この方法のメリットとしては以下の2点です。

メリット

  1. 立ち退き料が発生しない。
  2. スケジュールが確定する。

定期借家に切替えることに成功すれば、立ち退き料は発生しません。 また定期借家の満了期間が立ち退き完了期間となりますので、スケジュールも確定できます

金銭面とスケジュールが確定できるというのがメリットと言えます。

一方で、デメリットとしては以下の2点があります。

デメリット

  1. 今の契約が合意解除できるかどうか分からない。
  2. 立ち退き完了までに時間がかかる。

定期借家契約への切替えは、体のいい立ち退き交渉であるため、そもそも合意解除できるかどうか分からないとうデメリットがあります。 入居者が拒めば、定期借家に切替えることはできません。

また、定期借家に切替えるまでに交渉の時間がかかる上、数年間は定期借家期間を設けて貸し出すことから、立ち退き完了までに多くの時間がかかります。

定期借家の切替えは、方法の一つではありますが、早く建て替えをしたい人にとってはおススメできない方法となります。

5-2-2.定期借家切替ができるアパート

アパートのような居住用の建物に関しては、普通借家契約が2000年(平成12年)3月1日より前に締結されている入居者については、定期借家への切替えはできないというルールになっています。

定期借家制度が取り入れられたのが、2000年3月1日であるため、それより前に締結された普通借家契約に関しては、定期借家への切替えができないこととなっています。

尚、店舗等の居住用を除く事業用の建物に関しては、2000年3月1日より前に締結されたものでも定期借家へ切替えることができるとされています。

5-2-3.賃料減額と期限を決める

定期借家への切替えは、入居者にとって不利となる契約条件の変更です。

そのため、通常は現行の賃料を減額して妥結することが多いです。 現行の賃料の7~8割程度の水準で妥結し、契約期間は2年程度となるのが一般的なイメージになります。

契約期間を短くするのであれば、もっと賃料を減額する必要があります。 例えば3割程度にして半年とか、5割程度にして1年間等にするといった感じになります。

賃料減額の幅と期限には正解はありません。 あくまでも話し合いによってお互い納得する水準で妥結することになります。

6.立ち退きを行うにあたっての注意点

立ち退きを行うにあたっての注意点立ち退きを行うにあたっては、知っておかなければならない注意点があります。 そこで、最後に立ち退きの注意点についてご紹介します。

6-2.賃料増額は避ける

立ち退きの方法では紹介しませんでしたが、賃料増額を要求することで立ち退きを促すという方法もあります。 しかしながら、おススメできない方法ですので、賃料増額による立ち退きは避けるべきです。

良くあるケースとして、賃貸人から立ち退きを意図として賃料増額を要求する場合があります。 賃料増額の要求自体は法的に認められた行為ですので、特に問題ありません。

立ち退きを意図として行う賃料増額は、いわゆる入居者に対しての「嫌がらせ行為」です。 入居者からすると、高い賃料は払いたくないので、諦めて退去していくというケースを狙った行為になります。

但し、ここで注意をしなければならないのが、賃料の供託制度です。

賃料の増額交渉では、アパートオーナーが現状の賃料に不服がある場合、今の家賃の受領拒否を行う流れになります。

この場合、アパートオーナーが家賃を受け取ってくれない場合、入居者は家賃を法務局に供託することができます。

たとえ、アパートオーナーが家賃を受け取らなくても、入居者が法務局に家賃を供託し続けていれば、家賃滞納とはなりません。 そのうち、更新時期を迎えたとしても、法定更新されてしまいます。

このような自体が長引いてしまうと、場合によっては適正賃料の裁判まで発展する恐れがあります。

立ち退きを目的として賃料増額を行ったのにもかかわらず、争点が「適正賃料はいくらなのか?」という問題にズレてしまい、しかも事態の解決までに長期化してしまいます。

適正賃料の問題と立ち退きの問題は異なります。 立ち退きが目的なのに、あえて別の賃料の問題を生じさせる必要はありません。

立ち退きを意図とした賃料増額は、話の方向性がズレるのみならず、問題解決も長引かせてしまう手法であるため、取るべきではありません。

立ち退きを行いたい場合には、ストレートに立ち退きそのものを申し出ることがポイントになります。

6-3.裁判は避ける

裁判は避ける立ち退きは、揉めてしまうと最終的に裁判まで発展することがあります。 客観的な司法の判断に委ねたいという気持ちは分かりますが、裁判は避けるべきです。

裁判となってしまうと、その判断の根拠は社会常識ではなく、法律に基づくものになります。 ここで注意をしなければならないのが、立ち退きに関して判断の根拠となる法律が借地借家法であるという点です。

借地借家法の立法趣旨は、「借家人保護」の立場にあります。 つまり、入居者の立場を保護するための法律です。

立ち退きで裁判では、そもそも判断の根拠が借家人保護を目的とした借地借家法によって行われるため、賃貸人(アパートオーナー)にとっては不利な状況となります。

裁判では、最終的に「妥当な立ち退き料はいくらなのか?」という争点になりますが、お互いに立ち退き料を主張しても、借家人側の主張額に近い立ち退き料が採用されてしまいます。

裁判所としては、借家人を守るための借地借家法に基づき判断を行っていきますので、借家人の主張に重きを置くのは当然と言えます。

例えば、お互いに立ち退き料を主張しあったら、真ん中あたりの数字で決めるというのが社会常識だとしても、司法の判断に委ねてしまうと、法律の立法趣旨に基づいた判断となってしまうのです。

そのため、基本的には裁判を行うと、アパートオーナーにとっては、ますます不利な状況となります。

借地借家法では、賃貸人の方が弱い立場にあるため、裁判のような法的な場になると、賃貸人の主張が通りにくくなるのです。

交渉の段階で、入居者が要求してくる立ち退き料が若干高いと感じても、裁判を避けた方が、金額も安く、解決も早かったとうことが良くあります。

裁判は、本当に交渉では解決できなくなってしまった限り、最終手段として行うべきです。 安易に裁判を行わず、話し合いで解決するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか? アパートの立ち退きについて見てきました。

  • 借地借家法では借主の権利が守られているため、入居者を簡単に退去させることができません。
  • 普通借家契約では、入居者を退去させるためには、立ち退きの正当事由が必要です。 立ち退き料は正当事由を補完する関係にありました。 立ち退き料を支払うことにより、正当事由が完全なものとなり、立ち退きが正当化されます。
  • 立ち退きの方法としては、更新拒絶または解約の申入れによる方法と定期借家に切替える方法があります。 アパートであれば、どちらかというと更新拒絶または解約の申入れによる方法がおススメです。
  • また、立ち退きは、「自分で行う」、「賃料増額は避ける」、「裁判は避ける」といったことが注意点となります。

法的な知識を踏まえ、誠意をもって対応するようにして下さい。

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